井上卓也
ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「コンポーネントステレオ──世界の一流品」より
超小型ポータブル・カセットデッキとしてユニークな存在であったステレオ124を改良した、いかにもカセットレコーダーという言葉に応わしいモデルである。外形寸法は、185×57×180mm(W・H・D)、重量、電池なしで2kg、単2型電池を6個使用して、約2・5kgてある。機能は、片道録音、往復再生が可能であり、それもリレーを使った電磁コントロールで、操作は軽快であり、テープ走向方向はメーター指示される。クロームテープの自動切替、テープ量を確認するための窓と照明ランプ、自動録音レベル調整に、モノではあるがコンデンサーマイクとスピーカーを内蔵しているため、本機だけで録音・再生がおこなえるメリットがある。電源関係は、4200 REPORT ICと共通なタイプで、乾電池、電池、自動車バッテリー、充電機兼AC電源の4ウェイである。入出力端子は、欧州製品共通のDIN端子で、操作性が優れ、確実な利点はあるが、米国系のピンプラグやホーンプラグとの互換性には、やや難点を生じる面がある。アク七サリーは豊富で、別売として薄茶色の美しいバッグがあるのも大変に楽しい。超小型、軽量モデルだけに、カセットならではの魅力が製品自体にあり、使っても楽しいデッキである。
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