ラックス MQ-360

菅野沖彦

ステレオサウンド 79号(1986年6月発行)
特集・「CDプレーヤー・ダイレクト接続で聴く最新パワーアンプ48機種の実力テスト」より

 柔らかく、自然な音色で、力感とか重厚なソリッドな質感はないが、さり気ない良さは貴重なものだ。やや素っ気ない感じもなくはないが、見当違いのオーディオ的演出とでもいえる誇張の嫌味は全くないのがよい。オーケストラの質感は肌ざわりのよいものだが、少し密度に不足するように思われる。したがって、どちらかというと大編成の力の表現は苦手とする。その代わり、細かい音の色彩の変化や、タッチの差にはこよなく美しい反応を聴かせてくれる。品のよい音の世界である。

音質:8.0
価格を考慮した魅力度:8.0

Leave a Comment


NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください