井上卓也
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
エンクロージュアの回折効果を避けるためにバッフル面全体を550Rmmの曲面としたユニークな外観をもつフロアー型システムである。バッフルを曲面としたためにエンクロージュア内部の定在波の影響を抑えることができるのも副次的なこのシステムの特長である。曲面バッフルの効果はf特上で500Hz〜2kHzの間のレスポンスの凹凸を大幅に改善できるとのことだ。
ウーファーは30cm口径で曲面バッフルにあわせた重量が非常に大きなダイキャストフレームとアルニコ系磁石の磁気回路をもち、コーンはカナダ産針葉樹パルプを組み合わせたエアドライ法による腰の強いタイプである。スコーカーは12cmフリーエッジコーン型でサマリュウムコバルト磁石の磁気回路とエッジワイズ巻ボイスコイルを使用。2・5cmドーム型トゥイーターは、厚さ20μのタンジェンシャルエッジ一体成形のチタンダイアフラム使用で、各ユニットは垂直面から1・5度後方に傾斜したラウンドバッフルに取り付けてある。エンクロージュアはバスレフ型で、ナチュラルに伸びたfレンジと、粒子の細かい練り込まれた美しいバランスの音をもつ。
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