ケンウッド L-07D

井上卓也

ステレオサウンド 53号(1979年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ディスクに刻まれた信号を100%確実に、正確に電気信号に高忠実変換することを開発の最重要事項として造られた高性能プレーヤーシステムである。
 プレーヤーベースは、高剛性防振を実現する目的で、新素材マホガニーコンプライトと剛性が高い素材を複合密着させた基礎部分に、硬質アルミフレーム、新ARCB材を重ねた異種材複合防振構造であり、ターンテーブルもアルミダイキャストにジュラルミンを圧入し、上面にステンレスプレートを加えた重量5・5kgの複合防線型である。
 モーターは、軸受オイルなどの温度変化や粘性変化による負荷変動に対し自動的に位相補償値を調整するダイナミックコンペンセーター内蔵のスロットレス・クォーツロックPLLサーボ型で、シャフト直径は12mm、軸受部はマグネフロート方式で荷重を軽減している。
 トーンアームは、航空機用硬質アルミラミネートパイプに炭素繊維とボロンファイバーを複合した6層構造、軸受部は超硬合金ピボット、ステンレス鋼軸、大型ベアリング採用で、アームベースは大型のコレットチャック式1回転0・1mmの高精度ヘリコイド高さ調整機構付。内線材は特殊純銅リッツ線使用、出力コードのコネクターはロックネジ付の新型で、従来の数倍の接触面横をもつ。Lシリーズ共通の緻密で整理された音だ。

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