井上卓也
ステレオサウンド 53号(1979年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
久しぶりのブックシェルフ型の新製品である。今回新発売されたシステムは、ともに32cmウーファーベースの製品だがSP301が2ウェイ構成、SP511が3ウェイ構成で、オールコーン型ユニット使用である点が特長である。
SP511は直径120mmのフェライト磁石採用で、共振モードを抑えた新開発ダイキャストフレーム使用のウーファーと、直径85mmフェライト磁石採用の13・2mm口径のスコーカー、R付ダイキャストフレーム採用の小口径3・6cmトゥイーターを組み合わせたシステム。
バッフル面のユニット配置は、音像定位が明確な左右対称型で、ウーファー取付部とスコーカー、トゥイーター取付部を分離構造とし音響的干渉を避けたセパレートバッフル採用。ネットワークは分散配置型で、背面取付のアッテネータ一に代表される配線の短縮化、合理化が追求されたJBL系のノウハウを導入した新タイプである。SP511は、力強く豊かで反応が速い低域が最大の特長。エネルギー感のある中域、ストレートな高域は、コーン型独得の魅力だ。
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