ハーマンカードン HK-40

瀬川冬樹

ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より

 ハーマン・カードンはアンプで有名だが、スピーカー・システムもかなり以前から作っていて、いまから数年前にも、某メーカーがこのHK40をモデルにした製品を市販したことがあった。
 ARをもっとラフにしたというか、全体にかなり大まかな作りかたをしていて、いわば性能本位の実質的なスピーカーという感じである。カラリとドライな、抜けのいい軽い明るい音質で、高音域はそんなにレンジが広いわけではないが、低音は締まってよく伸びている。中域にやや弱さがあるため、張り出してくる音ではないが、そのために圧迫感のない聴きやすい音質で、弦やヴォーカルもおとなしく、きれいなハーモニイを響かせる。いわゆる高忠実度型のスピーカーではないが、まとめかたのうまさで聴かされてしまう。トゥイーターのレベルセット最大の点でバランスが良い。

採点表
大編成:★★★★
小編成:★★★
独奏:★★★
声楽:★★★★
音の品位:★★★★
音のバランス:★★★★
音域の広さ:★★★★
能率:★★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★★
(推薦)

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