ダイヤトーン DS-301

瀬川冬樹

ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より

 ネットを外してみても、ぜいたくなユニットを使って、かなり手のこんだ作りかたをしていることがわかる。眺めていてもゴージャスで、いかにも良い音が出そうな気がしてくるが、こういう印象を与えるというのは、商品としてやはり大切なことだ。
 しかしそういう期待を抱いたにかかわらず、DS251に似た中高域以上がかなり強調されたやや特異なバランスに、ちょっと首をかしげさせられた。トーン・コントロールでハイを絞れば、バランスは良くなるし、中高域のユニットの質は相当に良いものらしいと感じさせるが、ウーファーからスコーカーに受け渡すあたりの音のやや抜けた感じと、それ以上が急に盛り上る印象と、各音域のつながりに納得のゆかないところがあった。優れた素材を使いながら、調理法がやや独特だという感じである。

採点表
大編成:★★★★
小編成:★★★
独奏:★★★
声楽:★★★
音の品位:★★★
音のバランス:★★★
音域の広さ:★★★
能率:★★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★★
(準推薦)

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