ソニー SS-1800

瀬川冬樹

ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より

 ほんの10年も前までの日本の工業製品は、外国製品のアイデアを頂き、デザインはそっくり盗用で悪名高かった。その日本製品で、最初に、外国にイミテーションを作らせたのが、ソニーのポータブル・トランジスタ・ラジオだった。20年も前の話である。それ以来、ソニーのデザイン・ポリシーは、広く世界に評価された。
 そのソニーが、どうしてこんなデザインのスピーカーを作ったのか。これがあのソニーの製品とはとても信じられない。もうひとつのSS2800の方は、いかにもソニーらしい格調高い意匠なのに。
 音のバランスは、中低域がやや盛上り、中域が引っこんで、高域がチリチリするというドンシャリ型で、録音のよいレコードでは一応きれいに鳴るが、古い録音のレコードでは汚れっぽい音を強調してしまう。

採点表
大編成:★★
小編成:★★
独奏:★★
声楽:★★★
音の品位:★★
音のバランス:★★
音域の広さ:★★★
能率:★★★★
デザイン:★★
コストパフォーマンス:★★

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