パイオニア C-77 + M-75

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 セパレートタイプのアンプの中にも、大きく分類すると、コントロールアンプ、パワーアンプがそれぞれ別のメーカーの製品と組み合わせて使われることをかなり意識した作り方と、互いが相補う型で同じシリーズどうしで組み合わせることを前提とした作り方とがあるが、このC77/M75は後者のタイプで、単体に切り離しての試聴よりも、組み合わせた状態の方がいい。そのことは単体の試聴記の方をあわせて参照して頂きたいが、C77の大づかみでいくぶん反応の鈍い印象の音と、M75のコントラストの強い音がうまく補いあって、トータルにはまとまりのいい音に仕上っている。低音の量感は意識的に多めにしているらしく、またそれとバランスをとるためだろうか。高音域にも多少の強調があって、音をあまり聴き馴れない入門者にもわかりやすく作った、といった感じを受けるが、それだけに、セパレートタイプのアンプの中ではやや異色の、かなり表情過多な味の濃い作り方だと感じた。

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