ビクター P-3030

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 活気がある,華やいだ雰囲気の音をもつコントロールアンプである。聴感上での周波数レンジは、あまりワイドレンジ型でないが、かなりナチュラルに伸びており、バランス的には、低域は豊かで柔らかく、少し軟調であり、重さが感じられる。中域は硬質な面があり、低域とバランスしてこのアンプのキャラクターとなっている。
 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せは、やや相乗効果的なミスマッチが感じられ、予想よりも中域が粒立たず、低域が尾を引いたように、鈍く大味で散漫な印象となってしまう。むしろM3030とのペアのほうが、音が決まり、一種の個性的な音となるようである。

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