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ビクター P-3030

井上卓也

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

超薄型パネルにフル機能を装備し、活気ある音を聴かせる野心作。

ビクター P-3030

菅野沖彦

ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より

きわめて小味にまとめられた緻密さが魅力の製品。

ビクター P-3030

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 EQ7070と見た目はよく似ているが、出てくる音はだいぶ違う。7070が明るく軽く透明な音のするのに対して、3030の音は逆に総体におっとりして、7070のような入力ソースに対する反応の早さをあまり感じさせない。音像の前にやや暖色系の薄幕をひいた感じで、総体に音の冴えが物足りなく、もっと透明感が欲しい。細部を見渡したい、という気持にさせる。そのせいもあるのか音像の並び方も平面的で、奥行きや立体感がもっと欲しい。内蔵のMCヘッドアンプも7070とはだいぶ違うらしくDL103Sの場合にはまあまあだが、MC20に対しては音を素気なくする傾向。7070とは価格の差がずいぶんあるのだから仕方ないかもしれないが。

ビクター P-3030

井上卓也

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 活気がある,華やいだ雰囲気の音をもつコントロールアンプである。聴感上での周波数レンジは、あまりワイドレンジ型でないが、かなりナチュラルに伸びており、バランス的には、低域は豊かで柔らかく、少し軟調であり、重さが感じられる。中域は硬質な面があり、低域とバランスしてこのアンプのキャラクターとなっている。
 リファレンスパワーアンプ♯510Mとの組合せは、やや相乗効果的なミスマッチが感じられ、予想よりも中域が粒立たず、低域が尾を引いたように、鈍く大味で散漫な印象となってしまう。むしろM3030とのペアのほうが、音が決まり、一種の個性的な音となるようである。

ビクター P-3030 + M-3030

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 ふりかえってみてビクターの作るアンプの音には、二つの違った傾向があったと思う。ひとつはプリメインアンプのJA−S41に代表される、かなり抑制の利いた、どちらかといえば音楽の表情をおさえてゆく方向の、おとなしい感じの音。そしてもうひとつは、音像の輪郭をきらめかせて総体に良く響くという感じの傾向。この傾向は以前のセパレートアンプJP−S7/JM−S7にもあった。また国産のアンプでは従前までのサンスイなどにもその傾向があった。3030シリーズの組合せは、どちらかといえば前者の傾向で、総体に穏やかでいくらか暗色系の曇りを感じさせる。ただ音像の芯には意外に硬質なところがあるようで、音の密度は一応しっかりしている。反面もう少し立体感が欲しい。あるいは音像と音像とのあいだに空気を送り込みたい、という感じがする。離れて配置された互いに異なる楽器から出た音が、空間で溶けあってハモリ響く感じをもっと出したいという気分にさせる。

ビクター P-3030, M-3030

ビクターのコントロールアンプP3030、パワーアンプM3030の広告
(オーディオアクセサリー 8号掲載)

P3030

ビクター P-3030

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 フラット型のプロポーションをもつ、コントロールアンプのなかでも、もっとも薄い製品が、このP−3030である。一般的に、シンプルなデザインのフラット型は、機能面でもディスク再生を重点的にし、必要最小限度まで省略することが多いが、このモデルは、ほぼ標準的な機能を備えているために、いわゆるセパレート型アンプらしい使用法よりも、メカメカしくないオーディオとして小型の利点を活かして使いたい。

ビクター P-3030

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 プリアンプ単体としては最もローコストの部類だが、必要にして十分なコントロールファンクションを備えていて、機能の省略なしによくここまでまとめたものだと感心させられる。MCヘッドアンプも内蔵型としてはS/N抜群。やや華やいだハードな傾向で、解像力のよい音が特長だが、この価格からみてもあまり高価なパーツを使えないせいか、音の品位という面では、より高価な製品より聴き劣りするのはやむをえないだろう。

ビクター P-3030

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 フラットなプリアンプが流行で、これもそうした背景から生れたものだが、いわゆる、コントロール機能の省略されたイクォライザーアンプとはちがう。簡略化されてはいるが、必要な機能をそなえている。音質は、純度の高さと、聴き応えのある色味をしまくバランスさせたもので、大変このましい。きりっと輪郭が決りながら、肉付も豊かな音像だ。ステレオフォニックなプレゼンスがやや不足気味なのが唯一の不満。