スペクトロ・アコースティック Model 202

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 輸入品の100Wクラスのアンプとしては、価格もそれほど高くない。外観の造りをみれば贅を尽くした高級品ではなく、実質本位に徹した製品らしいことは容易に想像できるが、出てくる音を聴くかぎりは、ローコスト化のために手を抜いたというような感じはなくて、ローレベルでも滑らかによく磨かれて質感も悪くないし、切れこみのよい新鮮な印象で、音の密度にも不満はなく、ハイレベルでやかましくなったりもせず、要するにかなり良くできたパワーアンプであることがわかる。たとえば「オテロ」冒頭のオルガンの低い持続音も振動的な感じがよく出ている。価格の割に内容のしっかりした製品といってよさそうだ。

Leave a Comment


NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください