パイオニア Monitor 10

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 最近では数少ない密閉型と「モニター」という命名から、おそらくナマ録の際のモニター用を意図して作られたものだと思う。一般の鑑賞用としてはオープンエアタイプの方が快適だが、ナマ録では逆に外部の音に対する遮音性の良さと、かなりの大音量に耐える作り方が必要だ。ことにハイパワーでのモニターの際は、中〜高域での強調感や音の圧迫感をなるべく避けなくては、長時間のモニターで疲労が劇しくなる。その意味からは、音量を思い切り上げて聴いたとき、2〜3kHzを中心にして耳の感度の最も良い中〜高域で、もう少し抑えの効いた音の方がさらに好ましいと感じたが、しかし大づかみにはなかなかうまいバランスに仕上げてあると思った。重量が530gと平均よりかなり重いのも、耳あての調整機構がやや凝りすぎといいたいほど大仰なのも、遮音(密閉度)の良さを最良に保つための配慮なのだろう。やや特殊な目的のためのヘッドフォンといえる。

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