ビクター HP-D50

瀬川冬樹

Hi-Fiヘッドフォンのすべて(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「Hi-Fiヘッドフォンは何を選ぶか 47機種試聴リポート」より

 同じメーカーの製品だが、ローコストグループに出てきたHP660とは、デザインも構造も全く違うフラットダイナミック型だ。さすがに1万円を超えるクラスになると、ヤマハのHP1でもそうだったが、いろいろなレコードを聴いていて、バランス的にどこかおかしいとか、周波数レインジがせまいなどという欠点は殆ど指摘できなくなってくる。しかしやはりそこにビクターのトーンキャラクターに共通の、どこか華やいだ高域が聴きとれて、たとえばヤマハHP1よりも音場がいくらかひろがったような感じに聴きとれる。インピーダンスが公称65Ωと高めなので、ヘッドフォン端子とスピーカー端子の両方を試してみたが、スピーカー端子からダイレクトにとり出した方が、歪が少なく、鮮度の高い引締った音が得られた。かけ心地は悪くないが、本体がやや重い方なので、パッド圧が強く、長時間かけているとやや疲れそうだ。

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