ビクター EQ-7070, M-7070

井上卓也

ステレオサウンド 45号(1977年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 ビクターの7070シリーズは、単なるセパレートアンプの分野にとどまらず、周辺機器までを含めたシステムプランにより開発されたユニークな製品である。すでに、このシリーズではグラフィックイコライザーSEA7070、エレクトロニッククロスオーバーCF7070が発売されているが、今回、イコライザーアンプEQ7070、モノ構成パワーアンプM7070、FMシンセサイザーチューナーT7070、プラズマインジケーターDS7070がシリーズに加わり、充実した製品のラインナップとなった。
 EQ7070は、フォノイコライザーの名称をもつようにディスク優先型のプリアンプで、必要最少限度の機能のみを残した単純機能のプリアンプであり、トーンコントロールはシリーズ製品のSEAを併用することになる。機能は、2系統はMM/MC切替可能となっている3系統のフォノ入力、AUX、チューナーの入力切替、2系統のテープモニタ、CとRのカートリッジ負荷切替などを備える。
 MCヘッドアンプは、エキストラ・ローノイズFET採用のICL−DC構成で高SN比をもち、イコライザーアンプは、初段FET同相帰還ダブル差動定電流負荷のICL−DC構成、フラットアンプは初段FETシンメトリー・プッシュプル・ドライブ型ICL−DC構成である。
 M7070は、モノ構成の完全なDCアンプである。電源関係を重視した設計であるために、A−B独立電源のBクラス動作をするパワー段には、一般の商用電源を一度DCに整流した後に数10kHzのパルスに変換し、高周波用トランスで変換してから再び整流してDC電源を得るDクラス電源に、制御系にPWM方式を用い応答速度を高めた定電圧電源が使用されている。これにより、電源の内部インピーダンスを高域まで非常に低くすることが可能となり、電源のレギュレーションは、理想の電源と言われた蓄電池をしのぐものとしている。
 この強力な電源をベースとして、パワー段には高域特性が優れた素子として注目されているパワーMOS FETを採用し、100kHzにおいても120Wの実効出力を、0・02%の高調波歪率で得ることに成功している。
 フロントパネルには、12ポイントのLEDピークパワーインジケーターを備え、0・3Wから200Wまで表示可能であり、入力調整、ヘッドフォン端子、スピーカー切替を備える他にプロ用機器としても使用するために、キャノンコネクターをもつ。
 EQ7070とM7070の組合せは、現代アンプらしい伸びきったfレンジと粒子が細やかで透明感のある音をベースとし、反応が速く十分にエネルギー感がある充実したサウンドで、ソフトドーム系や、古いタイプのスピーカーに積極的に働き、活気ある音として聴かせる。

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