井上卓也
ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
昨年末、10万円をこす価格ランクにフロアー型スピーカーシステムとして発売されたソニーのSS−G7は、物量を投じたユニット、エンクロージュアを採用した、本格派のスピーカーシステムとして注目されているが、今回、Gシリーズの第二弾として、SS−G5とSS−G3が加わり、シリーズ製品らしいラインナップとなった。
SS−G5は、シリーズ製品だけに、SS−G7と同様な構想のシステムだが、もっとも大きく異なる点は、エンクロージュアがブックシェルフ型となっていることで、オプションの物凄く重いスタンド(WS−G5)を使えば、フロアー型としても使えるようになっていることだ。
低音は30cm口径の高剛性リブコルゲーション付のカーボンコーン採用で、磁気回路はアルニコ磁石とT型ポールに加えて特殊鋼材を用い、第3次高調波歪みの発生を抑えている。中音はドーム型とコーン型の利点を兼ね備えた8cm口径のバランスドライブ型ユニットで、磁気回路には電流歪を軽減するT型ポールを使ってある。
また、高音は厚さ20ミクロンのチタン箔を一体成型した口径25mmのドーム型ユニットである。各ユニットは音像定位の明確化のため、等価的に各ユニットの音源一を一致させたブラムライン方式に配置され、バッフルボード表面には格子状に凹凸溝を彫ったアコースティカル・グルーブ・ボードが採用され、指向特性の改善が図られている。
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