井上卓也
ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
ソニーを代表するスピーカーシステム、Gシリーズの中核をなすSS−G5は、細部に改良が加えられ、SS−G5aとして新発売された。
独自のブラムライン方式ユニット配置、高域指向性の向上とバッフル板振動モードを制御するAGボードの採用、バスレフ方式のエンクロージュアなどは変らない。30cmウーファーは、ボイスコイル直径が50mmから70mmとなり、磁束密度が25%増加して、高剛性リブコルゲーション付ストレートコーンの特長が一段と発揮されるようになった。8cmバランスドライブの中音ユニットは、新開発コーンが採用され、音色が明るく分解能が向上している。ネットワークは伝送ロスを減らすため、パターン厚70μのプリント基板を採用。ウーファー用コイルは音響素材SBMCで固め、機械的な振動を抑えるなど、新技術と高精度部品を採用した音質重視設計である。
試聴室では標準に使っている高さ60cmのアングルに乗せて使ったが、表情は抑えられ低域は重く、音離れが悪かった。床上20cm程度の強度ある台にセットすると、音色が明るく腰の強い低域をベースにした活気があるクリアーな中域と、華やかな印象の高域が効果的なバランスを保ち、質的にも高い音となる。サランネットを外した状態では、高域のレベル2時半の位置で
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