ダイヤトーン DS-25B

井上卓也

ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 コーン型ユニットを使う2ウェイ構成であり、エンクロージュア形式がバスレフ型となると、もっともダイヤトーンが得意とする伝統的なノウハウを生かせるスピーカーシステムである。ウーファーは、25cm口径で、ボイスコイル部分にゴムのダンプリングをつけ、クロスオーバー付近の特性を改善しているのは、DS40Cのウーファーと同様な手法である。トゥイーターは、5cm口径のコーン型で、コーン紙背面のバックチャンバーの容積が大きく、チャンバー内の残響を抑えるとともに、残響時間の不均一を防ぐスリット上のオリフィスを設けたサブフレームを取つけ音響制動をかけた無共振チャンバーを採用、振動系はコーン紙中央にチタン製ダイアフラムを使い分割振動を抑えている。
 DS25Bは、音に活気があり表情が明るく、伸びやかな魅力がある。基本的には、正統派のシステムだけに、物理特性的に不足感はなく、質的にもこのクラスでは抜群の高さがあることは特筆すべきことで、かつての発売時点でのDS251の再来と感じさせるダイヤトーンの快心作だ。

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