菅野沖彦
ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より
ダイヤトーンDS25B/IIは、25cmウーファーと5cmトゥイーターのオーソドックスな2ウェイで、かなりスケールの大きな再生音を聴かせてくれる。それだけに、やや透明度、柔軟性といった品のよさに欠ける嫌いがある。力強い低音と輪郭の鋭い高音域を埋める、中低域、中高域の柔らかさと豊かさが不足するためだろうが、明解な軽やかな音を好まれる人には向いている。
菅野沖彦
ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より
ダイヤトーンDS25B/IIは、25cmウーファーと5cmトゥイーターのオーソドックスな2ウェイで、かなりスケールの大きな再生音を聴かせてくれる。それだけに、やや透明度、柔軟性といった品のよさに欠ける嫌いがある。力強い低音と輪郭の鋭い高音域を埋める、中低域、中高域の柔らかさと豊かさが不足するためだろうが、明解な軽やかな音を好まれる人には向いている。
井上卓也
ステレオサウンド 51号(1979年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
数多くの機種を揃えているダイヤトーンのスピーカーシステムのなかでも、2ウェイ構成で、バスレフ型エンクロージュアを採用したタイプは、放送用モニターとして高い評価を得ている2S305以来の伝統的な同社の基本路線を踏襲したシステムである。DS25Bは、この路線のもっとも小型なブックシェルフ型システムであったが、今回、細部にいたるまで改良がくわえられて、MKIIとしてフレッシュアップされた。
外形寸法、ユニット構成などはDS25Bを受継いでいるのは当然のことながら、外観上での大きな変化は、バッフルボード面でのユニット配置が、音像定位の明確化を計ったため左右対称型となり、各ユニットの仕上げが、メタリック調を強くした明るくシャープな感覚になったこと。細部では、トゥイーターのレベル調整が従来の3段切替から−方向に一段多くなった4段切替になったことであろう。
25cmウーファーは、中域のレスポンスを改良するためにメカニカルフィルター装備であり、新設計による5cmコーン型トゥイーターは、ダイヤトーン独自のオリフィス構造とフレーム共振を低減する剛性が高い新しいフレームと、センターキャップに高域レスポンスを伸ばす目的のチタンドームを採用した点に特長がある。また、ネットワークは、伝送ロスを抑えた低歪コア入りコイル、要所要所にはメタライズドポリエステルフィルムコンデンサーを選択して使用しており、歪特性の改善をポイントにしている。
MKIIとなって、スピーカーシステムの性質は従来のモニター的なタイプから一段とバーサタイルなタイプに変ったようだ。音色は明るくなり、ステレオフォニックな音場感の、とくに前後方向の再現がナチュラルになり、中高域のキャラクターが抑えられて、この帯域の音が滑らかで透明になったのがDS25Bとの比較で明瞭に聴きとれる。
菅野沖彦
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
小型ながら表現力の大きな若々しい魅力的なサウンド。
井上卓也
ステレオサウンド 47号(1978年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ’78ベストバイ・コンポーネント」より
現代的に明快で引き締った音で、表情のフレッシュさと安定感が魅力。
井上卓也
ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より
いわゆるコンポーネントシステムに使うスピーカーシステムとしては、価格的にローエンドの位置にあり、見落としやすい製品である。ダイヤトーンが伝統を誇る、コーン型ユニット採用の2ウェイ方式、バスレフエンクロージュア入りのシステムだけに、バランスの良いレスポンス、明るく、活き活きとした表現力は、価格からはオーバークォリティであるともいえる。シャープな定位をもつ利点を生かしてテープのモニター用にも使える。
菅野沖彦
ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より
中型ブックシェルフ・スピーカーとして完成の域に達したシステムであろうと思う。明るく解像力の高い再生音は、プログラム・ソースを生き生きと鳴らし、快い。中級システムとして一般家庭では十二分な能力をもった優秀な機械である。あえて機械であると表現した所が、多少の私の不満を現わしたところである。
瀬川冬樹
ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より
一台3万円を切る最近の国産品の中で、オンキョーM1と対照的だが共になかなかよくできたスピーカー。以前のDS251よりも音の表情にメリハリをつけた印象だが、しかしダイヤトーンらしく適度に抑制が利いている。能率が割合高いので、ローコストのアンプと組み合わせても力不足にならない点、この価格ランクとしての性格をよくわきまえている。ただ個人的にはもう少し楽しい感じで鳴ってくれると一層良いと思う。
井上卓也
ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
コーン型ユニットを使う2ウェイ構成であり、エンクロージュア形式がバスレフ型となると、もっともダイヤトーンが得意とする伝統的なノウハウを生かせるスピーカーシステムである。ウーファーは、25cm口径で、ボイスコイル部分にゴムのダンプリングをつけ、クロスオーバー付近の特性を改善しているのは、DS40Cのウーファーと同様な手法である。トゥイーターは、5cm口径のコーン型で、コーン紙背面のバックチャンバーの容積が大きく、チャンバー内の残響を抑えるとともに、残響時間の不均一を防ぐスリット上のオリフィスを設けたサブフレームを取つけ音響制動をかけた無共振チャンバーを採用、振動系はコーン紙中央にチタン製ダイアフラムを使い分割振動を抑えている。
DS25Bは、音に活気があり表情が明るく、伸びやかな魅力がある。基本的には、正統派のシステムだけに、物理特性的に不足感はなく、質的にもこのクラスでは抜群の高さがあることは特筆すべきことで、かつての発売時点でのDS251の再来と感じさせるダイヤトーンの快心作だ。
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