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サンスイ SP-707J, SP-505J

岩崎千明

スイングジャーナル別冊「モダン・ジャズ読本 ’74」(1973年10月発行)
「SP707J/SP505J SYSTEM-UP教室」より

 ジェイムス・B・ランシングが1947年米国でハイファイ・スピーカーの専門メーカーとして独立し、いわゆるJBLジェイムス・B・ランシング・サウンド会社としてスタートした時、その主力製品としてデビューしたのが38センチ・フルレンジスピーカーの最高傑作といわれるD130です。
 さらに、D130を基に低音専用(ウーファー)としたのが130Aで、これと組合せるべく作った高音専用ユニットがLE175DLHです。
 つまり、D130こそJBLのスピーカーの基本となった、いうなればオリジナル中のオリジナル製品なのです。
 こうして20有余年経った今日でも、なおこのD130のけたはずれの優れた性能は多くのスピーカーの中でひときわ光に輝いて、ますます高い評価を得ています。今日のように電子技術が音楽演奏にまで参加することが定着してきて、その範囲が純音楽からジャズ、ポピュラーの広い領域にまたがるほどになりました。マイクや電子信号の組合せで創られる波形が音に変換されるとき、必ず、といってよいほどこのJBLのスピーカー、とくにD130が指定されます。つまり、他の楽器に互して演奏する時のスピーカーとしてこのD130を中心としたJBLスピーカーに優るものはないのです。
 それというのは、JBLのあらゆるスピーカーが、音楽を創り出す楽器のサウンドを、よく知り抜いて作られているからにほかなりません。JBLのクラフトマンシップは、長い年月の音響技術の積み重ねから生み出され、「音」を追究するために決して妥協を許さないのです。それは、非能率といわれるかもしれませんし、ぜいたく過ぎるのも確かです。しかし、本当に優れた「音」で音楽を再現するために、さらに優れた品質を得るためには、良いと確信したことを頑固に守り続ける現れでしよう。
 5.4kgのマグネット回路、アルミリボンによる10.2cm径のボイスコイルなど、その端的なあらわれがD130だといえます。
 あらゆるスピーカーユニットがそうですが、このD130もその優秀な真価を発揮するには十分に検討された箱、エンクロージャーが必要です。とくに重低音を、それも歯切れよく鳴らそうというとホーン・ロードのものが最高です。(72年まではJBLに、こうした38cmスピーカーのためのバックロード・ホーン型の箱が、非常に高価でしたが用意されていました。)
 そこで、JBL日本総代理店である山水がJBLに代ってバックロード・ホーンの箱を作り、D130を組込んでSP707Jが出来上ったのです。
 つまり、SP707JはD130の優れた力強い低音を、より以上の迫力で歯切れよく再生するための理想のシステムと断言できるのです。
 あらゆる音楽の、豊かな低域の厚さに加えて、中域音のこの上なく充実した再生ぶりが魅力です。
 刺激のない高音域はおとなしく、打楽器などの生々しい迫力を求めるときはアンプで高音を補うのがコツです。
 SP505JはJBLのスピーカー・ユニットとして、日本では有名なLE8T 20センチフルレンジ型の兄貴分であり先輩として存在するD123 30センチフルレンジを用いたシステムです。
 D123は30センチ型ですが、38センチ級に劣らぬ豊かな低音と、20センチ級にも優る高音の輝きがなによりも魅力です。つまり、D130よりもひとまわり小さいが、それにも負けないゆったりした低音、さらにD130以上に伸びた高域の優れたバランスで、単一スピーカーとして完成度の一段と高い製品なのです。
 D123のこうした優れた広帯域再生ぶりを十分生かして、家庭用高級スピーカー・システムとしてバスレフレックス型の箱に収め、完成したのがSP505Jです。
 ブックシェルフ型よりも大きいが、比較的小さなフロア型のこの箱はD123の最も優れた低音を十分に鳴らすように厳密に設計されて作られており、この大きさを信じられないぐらいにスケールの大きな低域を再生します。
 このSP505Jも、SP707Jも箱は北欧製樺桜材合板による手作りで、手を抜かない精密工作など、あらゆる意味で完全なエンクロージャーといえます。
 JBLスピーカー・ユニットの中で、フルレンジ用として最も優秀な性能と限りない音楽性とを併せ備えた名作がこのLE8T 20センチ・フルレンジ型です。
 この名作スピーカーを、理想的なブックシェルフ型の箱に収めたものがSP-LE8Tです。かって、米国においてJBLのオリジナルとして、ランサー33(現在廃止)という製品がありましたが、そのサランネットを組格子に変えた豪華型こそSP-LE8Tです。
 シングルスピーカーのためステレオの定位は他に類のないほど明確です。高級家庭用として、また小型モニター用として、これ以上手軽で優れたシステムはありません。

個性あるSP707J・505Jへのグレードアップ
より完璧なHi-Fiの世界を創るチャート例

075の追加
 D130と075の組合せはJBLの030システムとして指定されており、オリジナル2ウェイが出来上ります。ただオリジナルではN2400ネットワークにより、2500Hzをクロスオーバーとしますが、実際に試聴してみると、N7000による7000Hzクロスの方がバランスもよく、楽器の生々しいサウンドが得られます。シンバルの響きは、鮮明さを増すとともに、高域の指向性が抜群で、定位と音像の大きさも明確になります。さらに、高域の改善はそのまま中域から低域までも音の深みを加える好結果を生みます。

LE175DLHの追加
 D130と並びJBLの最高傑作であるこのLE175DLHの優秀性を組合せた2ウェイは、D130の中音から低音までをすっかり生き返らせて、現代的なパーカッシブ・サウンドをみなぎらせます。鮮烈、華麗にして、しかも品位の高い迫力をもって、あらゆる楽器のサウンドを再現します。
 オーケストラの楽器もガラスをちりばめたように、楽器のひとつひとつをくっきりと浮び出させるのです。空気のかすかなふるえから床の鳴りひびきまで、音楽の現場をそのまま再現する理想のシステムといえます。

LE85+HL91
 LE175DLHにくらべ、さらに音の緻密さが増し、音の粒のひとつひとつがよりくっきりと明確さを加えて浮んでくるようです。LE175DLHにくらべて価格の上で20%も上るのですがそれでも差は、音の上でも歴然です。
 もし、ゆとりさえあれば、ぜひこのLE85を狙うことを推めたいのです。LE175DLHでももはや理想に達するので、LE85となるとぜいたくの部類です。しかし、それでもなおこの高級な組合せのよさはオーディオの限りない可能性を知らされ、さらにそれを拡げたくなります。魅力の塊りです。

HL91
 D130単体のSP707Jはこのままではなく、最終的にぜひ以上のような高音ユニット3種のうちのどれかひとつを加えた2ウェイとして使うことを推めたいのです。2ウェイにグレードアップしてSP707Jの魅力の真価がわかる、といってよいでしよう。
 D130だけにくらべ、そのサウンドは一段と向上いたします。いや、一段とではなく、格段と、です。
 2ウェイになることによってSP707Jはまぎれもなく「世界最高のシステム」として完成するのです。

LE20を加える場合
 D123のみにくらべ俄然繊細感が加わり、クリアーな再生ぶりは2ウェイへの向上をはっきりと知らせてくれます。ソフトな品の良い迫力は、クラシックのチェンバロのタッチから弦のハーモニーまで、ニュアンス豊かに再現
します
 しかも、JBLサウンドの結集で、使う者の好みの音を自由に出して、ジャズの力強いソロも際立つ新鮮さで、みごとに再生します。全体によくバランスがとれ、改善された超高域の指向性特は音像の自然感をより生々しく伝えるのに大きくプラスしているのを知らされます。

075を加える場合
 LE20にくらべてはるかに高能率の075はネットワークのレベル調整を十分にしぼっておきませんと、高音だけ遊離して響き過ぎてしまいます。D123の深々とした低音にバランスするには高音は控え目に鳴らすべきです。
 ピアノとかシンバルなどの楽器のサウンドを真近かに聴くような再生は得意でも、弦のニュアンスに富んだ気品の高い響きは少々鳴りすぎるようです。

LE175DLHを加える
 LE175DLHも075も同じホーン型だが、指向性のより優れたLE175DLHの方がはるかに好ましい結果が得られ中音域の全てがくっきりと引き締って冴えた迫力を加えます。楽器のハーモニーの豊かさも一段と加わり、中音の厚さを増し、しかもさわやかに響きます。
 075のときよりもシンバルのプレゼンスはぐんと良くなって、余韻の響きまで、生々しさをプラスします。
 クロスオーバーが1500Hzだから、中音まで変るのは当り前だが、中音の立ち上りの良さとともにぐんと密度が充実して見違えるほどです。

D123をLE14Aに
 高音用を加えて2ウェイにしたあとさらに高級化を狙って、D123フルレンジを低音専用に換えるというのが、このシステムです。LE14Aはひとまわり大きく、低音の豊かな迫力は一段と増し、小型ながら数倍のパワーフルなシステムをて完成します。

プロ用の厳しい性能を居間に響かせる
新しい音響芸術の再生をめざすマニアへ

プロフェッショナル・シリーズについて
 いよいよJBLのプロ用シリーズが一般に山水から発売されます。プロ用は本来の業務用としてギャランティされる性能が厳しく定められており、コンシューマー用製品と相当製品を選んで使えば、超高級品として、とくに優れたシステムになります。
 例えばD130と2135、130Aと2220A、075と2405、LE175DLHと2410ユニット+2305ホーンで、それぞれ互換性があります。
 しかし、一般用としてではなくプロ用シリーズのみにあるユニットもありそれを用いることは、まさにプロ用製品の特長と優秀性を最大に発揮することになります。

高音用ラジアル・ホーン2345と2350
 ラジアル・ホーンは音響レンズや拡散器を使うことなしに、指向性の優れた高音輻射が得られるように設計され、ずばぬけた高能率を狙ったJBL最新の高音用です。
 ホーンとプレッシュア・ユニットとを組合せて高音用ユニットとして用います。プレッシュア・ユニットにはLE175相当の2410、LE85相当の2420があり、さらに加えて一般用として有名な中音ユニット375に相当するプロ用として2440が存在します。
 2410または2420をユニットとしラジアル・ホーン2345を組合せた高音用は、従来のいかなるものよりも強力な迫力が得られ、とくに大きい音響エネルギーを狙う場合、例えばジャズやロックなどを力いっぱい再現しようという時に、その優れた能力は驚異的ですらあります。
 ラジアル・ホーン2350は、2390と同様に500Hz以上の音域に使用すべきホーンで、音響レンズつきの2390に匹敵する優れた指向特性と、より以上の高能率を誇ります。
 本来、中音用ですが、2327、2328アダプターを付加すれば、高音用ホーンとして使えます。
 この場合は、LE85相当の2420と組合せてカットオフ500Hz以上に使えるのです。拡がりの良い、優れた中音域を充実したパワーフルな響きで再現でき、従来のJBLサウンドにも優る再生を2ウェイで実現できるのです。
 2350または2390+2327(2328)アダプター+2420ユニットというこの組合せの高音用はJBLプロ用システムの中に、小ホール用として実際に存在しています。
 この場合の低音用はSP707Jと全く同じ構造のバックロード・ホーンに130Aウーファー相当の2220Aが使用されネットワークはN500相当の3152です。

2205ウーファーに換える場合
 プロ用シリーズ特有のパワーフルな低音用ユニットが、この2205で、一般用にLE15Aの低音から中音域を改良したこのウーファーは150W入力と強力型です。
 プロ用ユニットを中高音用として用いた場合の低音専用ユニットとして2205は注目すべきです。SP707JのユニットD130を2205に換えたいという欲望はオーディオマニアなら誰しも持つのも無理ありません。
 2205によって低音はより深々とした豊かさを増し、中域の素直さは格別です。とくに気品のある再生は、現代JBLサウンドの結晶たる面目を十分に果しましよう

2220と2215ウーファー
 SP707JのD130はフルレンジですが、プロ用シリーズの38センチウーファーとして2220があり、130A相当です。100Wの入力に耐える強力型で、130Aに換えるのなら、ぜひこの2220を見逃すわけにはいきません。またLE15Aのプロ用として2215があります。
 以上2205と2220ウーファーは、末尾のAは8Ω、Bは16Ω、Cは32Ωのインピーやンスを表します。2215Aは8Ω、Bは16Ωです。
 プロ用の高音ユニットは全て16Ωなのでもし正確を期すのでしたら、ウーファーも16Ωを指定し、プロ用の16Ω用ネットワークを使うべきです。

サンスイ AU-9500

岩崎千明

スイングジャーナル 6月号(1973年5月発行)
サンスイ広告「岩崎千明のマニアノートより ブラックストンの重いパイプ」より

 12月も押しつまったぎりぎりのある午後のSJ試聴室に、2月号のヒアリングに来ていたオレの前に、むくつけき、という形容がぴったりのニグロの大男が、児山編集長に伴われて、のっそりと入ってきた。
「ミスター、アンソニー・ブラックストン!」児山さんの紹介の言葉がまったく信じられなかったが、まちがいなく、写真で見知った顔と、眼前のひとなつこく輝く眼とが一致した。ずっしりと、重く、すっぽりと包まれてしまうほどの固い握手に、昔、エルビンとかわしたときの握手と似た熱い血を、笑顔とうらはらに皮膚をつらぬいて感じとった。
 ブラックストンは、このときもすごく大きなボールの、いかにも一見ハンドクラフトめいたパイプを右側に傾けて、まわり中、ひげだらけの口にくわえていた。
 あとで編集F君の話によると「あんなでかい、重いパイプをくわえていて、重くないかと聞いたら、パイプは重いほどいいのだ、いかにもパイプをくわえてるという気がするから、といってたよ」とか。
 一般の通説では、パイプは口にくわえても負担にならないほうがよい。だから軽ければ軽いほど良いパイプだ、というから、この通念とは逆なことをブラックストンはいったわけだ。
 最近、ジムニーやホンダ・ステップバンなど小さいくるまに乗って、都内に出かけることが多く、そのとき、ポケットの中がごちゃごちゃしない理由もあって、パイプはコノウイッチのカナディアンのサンドブラストを持って出ることが多い。手元にあるパイプのうちで、これが一番軽いことも、それに手をのばすことが多い理由である。パイプをくわえるという意識が自分自身に対してもっとも目立たないのが気に入るのだ。しかし、ブラックストンのように、「いかにもパイプをくわえているとういう気になれる」のもパイプのひとつの大きな存在価値であろう。ブラックストンのパイプは、何の銘柄であるかは知らないが黒く、大きく、いかにもずっしりと重そうで、彼の吹くアルトのサウンドをそのままに表わしていた。
 黒く、重くズッシリと、といえば、サンスイの作るアンプもすべて、この上なく黒く重くズッシリとしている。AU9500などは同価格の国産アンプにくらペて50%以上も重く、大きい。これを持つものは、おそらく、高性能アンプを手元に置いたという実感を、いや応なしにずっしりと味わえるだろう。パワー・ギャランティーも、ひずみ0・1%で全音声帯城をいっぱいにカバー、という国際水準でもトップレベルの厳格な規格仕様だ。
 トランスの重量だけでも8キロ余り。全体で23・3キロ。ヒート・シンカーはアルミの押出し成型で特注。ツマミはダイキャストのムク。シャーシーは、何かドイツの車を思わせる厚さ。すべてが凝り性向きだ。色んな意味で「重み」を感じさせるアンプである。

サンスイ SP-95

菅野沖彦

スイングジャーナル 6月号(1973年5月発行)
「SJ選定新製品」より

 山水が久々に放ったヒット商品! というのが私の率直な感想である。このSP95、このところ数年間、ただの一度も、一機種も、私の耳にぴたりときたことのなかった山水のスピーカー・システム群とはちがって、一聴して肌合いのよい共感をもって音楽を聴かせてくれたのである。このところ、一段と音らしい音を聴かせてくれるようになった国産のスピーカー・システムの中にあって、これは一際光彩を放つものではないだろうか。私はスピーカーというオーディオ機器のパーツの中で最も厄介視されているこのパーツが大好きである。たしかに、純粋に技術的に見れば、これほど進歩の遅いものもないだろうし、生産性の悪いものもなかろう。しかし、逆にいえば、これほど素晴らしいものもない。第一、スピーカーというものは、それ自体、オーディオそのものであり、録音再生音楽の全ての性格を決定づけるものであり、それはあたかも、映画のスタリーンのごとく、それなくしては、すべては存在しないのである。スピーカーの存在が、つまりはオーディオであり、スピーカーの性格(個々のスピーカーのそれではない)に、全ての録音再生のプロセスは支配されているといっても過言ではないと思うのである。
 オーディオの世界、レコード音楽の世界はスピーカーの世界である。したがって、スピーカーというものが変換器として、いろいろ問題をもっていることをほじくり出してネガティプに見るという姿勢を私はあまり好まない。問題はあくまで解析して、よりよいスピーカーを作るべきだと思うけれど、一方、あのシンプルな振動板(一見そう見えるだけで実は極めて複雑怪奇だが……)から、あれだけ多彩でそれらしい音の出てくるスピーカーの素晴しさを認めて、スピーカー側からアンフやプレイヤーを見るという姿勢も大切であるように思うのだ。再び、映画のメカニズムに例えてみるならば、スピーカーの歪とかF持とかいったものは、映画のスクリーンのサイズや形、色、平面性といったようなものであって、スクリーンのサイズや形を無視して映画の撮影はできないし、スクリーンそのものが色がついていたら、フィルムの色は忠実に再現できないのと同じようなものではないか。スクリーンの色を真白にすべきなのと同じように、スピーカーの歪は取りのぞくべきであるし、フィルムの縦横の比率と異ったスクリーンで画面が切れるようなことがスピーカーにはあってはならない。つまり、プログラムソースに収録されている帯域のすべてが再生され得るF特を持つべきだ。映写された画面の色が光源によって大きく変るのと同じように、録音再生の系の中でスピーカー以外に起因するファクターも無視できない。しかし、そんなことよりもっと大切なことは、映画が、スクリーンという虚像の投影の場を明確に肯定しているということの認識である。スピーカーの歪を取りのぞくことはスクリーンを真白にすることより難しかろう。しかし、スクリーンの存在は、少くとも、本物か偽物かという感覚の対象としては、それがどんなに大きくワイドになろうとも、スピーカーに対するよりはるかな実感をもって偽物という認識がもたれている。いや、偽物という表現は適当ではない。ちがうもの、独自のもの、という認識というべきだろう。オーディオにおけるスピーカーへの認識も、そろそろ、そうした次元に立たなければならない。スピーカーとして要求されるものはなにかということをもっと考えてみる必要がある。それは、忠実な変換器という物理的ファクターの上に立ちながら、しかも、美しい音を聴かせてくれるいいスピーカーではなかろうか。SP95に、私はこの辺の成長した考え方を感じた。しかも、それを常に価格という制約の中でまとめなければならない商品としてのバランスのよさも納得のいくものだった。
 山水としては初めての密閉型エンクロージュアに納められた25cmウーハーとソフト・ドーム・トゥイーターの2ウェイが、このサイズとしては最高の豊かさと甘美な味わいをもって鳴る。プレゼンス、定位、音像の切れ込みも満足のいくもので、広いジャンルの音楽にバランスのよい再生音を聴かせてくれた。このクラスの密閉型ブックシェルフとしては能率も実用的に充分な高さで使いよい。

サンスイ SP-707J, SP-505J

岩崎千明

スイングジャーナル 4月号(1974年3月発行)
「AUDIO IN ACTION SP-505J、707Jのシステム・アップ」より

 SJ試聴室に、山水JBLのシステムSP707J、505Jそれに新しいJBLのシステムL88プラスがずらりと勢揃いする。その様はまさにJBL艦隊ともいうべきか、戦艦707J、巡洋艦505J、駆逐艦L88プラスと威風堂々と他の居並ぶシステムを圧倒し去る。この山水JBLのシステムが高音ユニットを加えることによって、どれほどグレード・アップするかを確かめ試聴する目的で一堂に会したわけだ。
 これらのシステムSP505J、707Jは、発売された状態では、それぞれ30cmと38cmのフルレンジが箱に収まった形だが、トゥイーターを加えることにより数段高いグレードに向上し、名実ともに世界最高のシステムと成長し得る。
 こうした大いなる可能性こそ、これらのシステムの大きな魅力と源となっているのだが、そのためこのシステムの愛用者や購入予定を願う多くのファンから、いかなる道が最もよいのかという質問がSJ編集部へ発売以来あとをたたずに来ている。そこで今月は、これを読者に代って試みよう。
 まず、SP505J、価格88、000円。JBL・D123、30cmフルレンジが中型のフロアータイプのチューンド・ダクト型エンクロージュアに収められている。
 D123はJBLサウンドの発足以来ごく初期から戦列にあり帯域の広いことでは定評のあるフルレンジだ。低い低音限界周波数とアルミ・ダイアフラムから輻射される鮮麗な高音域はJBL特有の高能率のもとに迫力にみちたスムースな再生を可能にする。
 SP505Jは、高音用ユニットとしてLE20、075、175DLHの3つの中から選べるが、組み合わせるべきネットワークはそれぞれちがってLE20はLX2、075はN2400、175DLHはLX10と組み合わせることが考えられる。
 価格は、それぞれの組合せで大きく違いLE20(20、100円)+LX2(14、000円)、075(38、200円)+N2400(15、600円)、175DLH(82、000円)+LX10(10、200)となるからどれを選ぶかフトコロと相談をして可能性の近いものをねらうことになるが音の方もかなりの違いを見せ、結論からいうと刺激的な音をさけるのなら、LE20、ハードなジャズ・サウンドをねらうなら無理をしてでもLE175DLHをねらうべきだろう。つまり、本誌の読者なら少々がまんをしてでも将来175DLHを加えることを、ぜひ薦める。
●LE20とLX2を組み合わせる場合
 JBLの山雨度は実に不思議で使うものの好みの音を「自由」に出してくれる。LE20との組合せの場合、ソフトな品のよい迫力が、その特徴だ。繊細感に満ちたクリアーな再生ぶりはまさに万能なシステムというべきで、クラシックのチェンバロのタッチからコーラスのウォームなハーモニーまでニュアンス豊かに再現する。しかも、ジャズの力強いソロにも際立った鮮麗さでみごとにこなしてくれる。ロリンズ・オン・インパルスのシンバルが少々薄い感じとなるが、タッチの鮮かさはやはりJBL以外の何ものでもない。全体にバランスよく、完成された2ウェイ・システムが得られる。
●075とN2400を組み合わせる場合
 これは075の高能率な高音が、ちょっとD123のサウンドと遊離してしまう感じがあって、鮮烈なタッチのシンバルだけが浮いてしまう。D123のバスレフレックスの組合せから得られる深々とした低音がLE20の場合みごとに引き立て合うのに、075では、その特徴が075のよさを相殺してしまう感じなのだ。ピアノの高音のタッチがキラキラしすぎるし、ミッキー・ロッカーのシンバルワークだけが、ややきつくなる感じ。075はかなりレベルをおさえて用いるべきだが、そうなるとLE20とかわりばえがしなくなる。
●175DLHとLX10を組み合わせる場合
 なにしろ、ロリンズのテナーの音までが力強くなって、輝き方が違ってくる感じだ。本田のタッチのすさまじさも175DLHとの組み合わせで俄然、迫力を加えてくるし、何とベースのタッチの立ち上りまで変ってしまう。
 まあ結論として、やっぱり175DLHを加えないとジャズ・サウンドの迫力は完全ではないのだ。拡がりと余韻の豊かさが加わるのは、175DLHの指向性のよいためか。
 175DLHの場合、高音用とはいってもクロスオーバーが1200hz付近だから、中音まで変ってくるのは、あたり前だが、それにしてもテナーやピアノなど中音はおろかベースからタムタムなど低音のアタックまでがすっかり変わり、D123が見ちがえるように迫力を加えてくる。やはり、ハードなジャズ・ファンだった175DLHをねらうべきだろう。

 SP707JはおなじみD130の38cmフルレンジでJBL精神むき出しの強力型ユニットを、これまたJBLならではの大型バック・ロードホーンのエンクロージュアに収めたシステム。元来、C40ハークネスとしてJBLオリジナル製品があったが、72年度よりC40はカタログから姿を消してしまったので、SP707Jの存在意義は大きい。C40のシステムとしてはD130単体と、D130+075の2ウェイ、D130A+175DLHの2ウェイの3通りが選べたが、日本のファンの間では後者がよく知られている。価格176、000円は決して安くはないがJBLオリジナル製品から比べれば安いものだ。
 組み合わせるべき高音用ユニットとしては、075、LE175DLH、LE85ユニット・プラスHL91ホーン・レンズの3通りがある。さらに、それぞれユニットをダブらせて用い、クロスオーバーをかえて3ウェイにすることをメーカーでは言っているが、まずその必要はないと結論してもよかろう。つまり、JBLはよほどの音響エネルギーを必要とする場合でない限り、ホールや劇場などを除いては3ウェイの必要性はないと言ってよかろう。
 さて、それぞれのユニットの試聴結果は、投ずる費用に応じてハッキリとグレードの高さを知らされ、どれもがD130単体の場合に比べて、格段と向上する。一段とではなく、格段とだ、つまり、SP707Jはこのままの状態ではなく、上記の3種のユニットのどれかを選んだ2ウェイとして初めて完全なシステムとなると言いきってもよい。それも世界最高級のシステムに。フトコロと相談して、075との2ウェイにするのもよい。ゆとりがあれば是非ともLE85+HL91をねらうべきであるのは当然だ。
 075とN7000が38、200円+16、700円。LE175DLH+N1200は82、000円+26、800円。LE85+HL91とLえっ苦5は83、000円+23、200円+41、500と価格は段階的に大きくステップ・アップするが、その差が音の上にもハッキリと表われてくるのだから言うべきところがない。
●075とN7000を組み合わせた場合
 これが意外にいい。SP505Jでは何かどぎつくさえ感じられた075が、707Jとの組合せでは俄然生き返ったように鮮明な再生をかってくれる。さわやかささえ感じる。のびっきった高音はアウト・バックのエルビンのシンバルのさえたタッチを、軽やかに鳴らす。707Jの音の深さが一段と加わり、力強い低音がアタックでとぎすまされてくる。特に音場感の音の拡がりが部屋の大きさをふたまわりも拡げてしまうのには驚かされる。
 JBLの怖じナル003システムはD130と同じ075をN2400と組み合わせされているが、この組合せを試みたところ、中域の厚さが確かに増し、ロリンズのテナーは豪快さを加えるが、シンバルの澄んだ感じがやや失われるのを知った。どちらをとるかは聴き手の好みによるが、オリジナルの003システムの場合のN2400ではなく、7000HzのクロスオーバーのN7000を指定したメーカー側の配慮も、また充分うなずけるものであるのは興味深い事実だ。
 175DLHこそ、D130とならぶJBLの最高傑作であると20年前から信じ続けているのを、ここでもやはり裏付けされたようだ。175DLHはD130の中音から低音まですっかりと生き返らせ、現代的なパーカッシブなジャズ・サウンドにみなぎらせ、鮮烈華麗にして品位の高い迫力をもってあらゆる楽器を再生してくれる。
 アウト・バックのエアート・モレイラのたたき出す複雑なパーカッションは大きなスケールで試聴室の空気をふるわせる。特に、バスター・ウイリアムスのベースのプレゼンスある響きは、大型の楽器を目前にほうふつさせ、エルビンのドラムスとの織りなすサウンドをみごとに展開してくれる。
●LE85+HL91をLX5と組み合わせた場合
 175DLHの場合に比べて音の密度が格段と濃くなり、音のひとつひとつの粒立ちがくっきりと増してくるのはさすが。175DLHに比べ、価格のうえで50%アップになるが、その差は歴然とサウンドに出る。
 もし、ゆとりさえあればLE85といいたいが、175DLHとして世界最高のシステムとなり得るのだからLE85は音のぜいたく三昧というところだ。なお、LE85の場合はホーンとデュフューザーが大きく、バックロード・ホーン型エンクロージュアのうえにのせるかたちになる。この場合、ぜひ注意したいのはHL91のホーン・レンズの後方には、、必ず厚板で音が後に逃げるのをふさがなければ完全とはいえない。つまり、ホーンを板につけ、板の前にデュフューザーをつけるべきで、板の大きさはデュフューザーよりひとまわり大きいのが望ましい。メーカーでこの板を作ってくれることを望むところだ。
 最後に、JBLオリジナル・システムL88プラスについて、ちょっとふれておこう。好評のL88のグリルを変えた新型であるL88プラスは、M12と呼ばれるキット34、300円を買いたして、3ウェイに改造出来得る。このキットの内容はLE5相当の12cm中音用ユニットと、ネットワークのコンビである。接続はコネクターひとつだけで、88プラスの箱のアダプターをはずしてつけることにより誰にでも出来るが、このエクスパンダー・キットを加えると、音域はまさに拡張された感じで中音のスムースさを加え、バランスが格段と向上して豊麗さをプラスしてくれる。
 JBLというブランドのシステムに対する、ジャズ・ファンの期待と信頼は、他のオーディオ・システムに例がないほどである。それを製品の上で、はっきりとこたえたのが、D130であり、D123である。D130のみでアンプの高音を強めた用い方により、D130のシステムは、ジャズ・サウンドのもつ醍醐味を満喫するのにいささかも不満を感じさせない。ましてD123のシステムにおいておやである。アンプの高音を3ステップ上げた状態で、我が家においてただ1本のD130と見破った者は、メーカーのエンジニアを含めまだひとりたりもいない。
 それを、さらにオリジナルJBLのサウンドに向上させるのが、この2ウェイ化だ。ひとつ気になるとすれば、D130をベースとしたオリジナル・システムは003と名付けた075を加えたものだけである。
 あくまで、オリジナルJBLに忠実ならんとする者にとってはD130うウーファーに使うことを将来ためらう向きもあるかも知れない。あえてというなら、130Aを買い換えなければなるまいが、ジャズの楽器の再現を主力にするならば、D130によりリアルなプレゼンスを認めることは容易であろう。

サンスイ AU-9500

岩崎千明

スイングジャーナル 2月号(1973年2月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 サンスイがこのところコンポーネントに示す熱っばいまでの意気込みは、すざまじいという言葉で表されるほどの迫力を感じさせる。そうとるのは、決して私一人だけではあるまい。
 つい先々月、このSJ選定品としてAU7500が登場したばかりだというのに、今月再びSJ選定品として目白押しの新製品の中から、再びサンスイのアンプが紹介されることになった。AU9500である。
 この新製品、ごらんの通り風格も堂々たる貫禄であるし、価格もまた、10万を軽く越すという、最近のデラックス志向の強いステレオ・パーツの中にあっても、ひときわ目立つ超豪華型だ。
 まさに国産アリメイン・アンプ中の最高レベルを狙ったとみられる新製品なのだ。
「実はさきにAU7500のときに同時に発表すべきだったのですがこれだけの高級機になりますと、社内でもいろいろな形で検討を加えられ例えば発表時期もSP707Jと同時発表という形をとることになったわけです」とメーカー側のいいわけ。
 JBLの38センチ・フルレンジのD130をユニットとしたバックロードホーンのエンクロージュアに収めた新製品がSP707J。この国産随一を狙った豪華スピーカー・システムと同時にデビューさせたことは、このコンビで、ライバルを一挙に圧倒し去ろうという、いかにも専門メーか−らしい冴えをみせた憎いテクニックとみた。
 AU9500のうわさは、しかし、すでに7500発表当時からささやかれていた。それが現実となって、眼のあたりに接してみるとき、かつて、その昔、山水がAU111を市場にデビューした当時のことを思わずにはいられない。
 AU111は、旧いオーディオ・マニアなら、その存在は、アンプの最終目標として長く君臨していたことを知ろう。6L6GCのプッシュプルを最終段とした45/45ワットという当時の最強力管球プリ・メイン・アンプであった。
 ハイパワーなるが故の大型出力トランスを2個に加え、その電源をまかなうべき馬鹿でかいパワー・トランスは巨大なる図体を余儀なくし、家庭用アンプというにはほど違いヘビー・ウエイトぶりは、脚に金属椅子と同じキャスターを取りつけるさわぎで、しかも、わずかな移動も、これに頼らざるを得ないという、万事常識はずれの強力型重量級アンプであった。
 家庭用として、45ワットはおろか100ワットさえ登場する今日、その中にあっても今日の新製品AU9500の大きさと重量は、やはり特筆に催するほどだ。
 これというのも、今日のサンスイのアンプが、すべて、カタログ表示であるフル・パワーを20〜20Kヘルツという音声帯域内全帯にわたって、保証するという、ぜいたくさから、きている。しかも、この規格値は、なんと驚くべきことに、ひずみ0・1%においての値なのである。
 歪0・1%という値は、かつて英国リークのアンプの表カンバンだった。しかし、実際には、0・1%歪は、1000ヘルツにおいての場合でのみだ。音声帯域全帯に対するものではない。
 マッキントッシュのアンプさえもこの全音声帯域内での歪率に対しては、0.3%を示すに過ぎない。
 しかし、山水のアンプでは、この0・1%歪をギャランティーしようという。まさに、おどろきの他ない。
 これを実現するためにはパーツを選び最新の回路技術に加え、今まで見過されていた多くの部分を再開発しなければならなかったという。かつて、303シリーズで、0・3%歪を実現したサンスイは、0・1%歪に挑んでコンポーネントの製品化を実現したのである。
 いうはやすく、実現至難な0・1%歪。現実の市販品でこのクラスのカタログ・データは、少ないわけではないが市販製品をチェックすれば、カタログとは足もとにも及ばぬのが普通だ。サンスイの堅実な努力は、しかし着々と成果を上げているのである。
 JBLにコンシューマー用アンプのなくなった現在、このサンスイ・ブランドの高級アンプ群は、JBLシステムを鳴らすにはかけがえのない存在となるわけだが、それに応えるかのようにAU9500のサウンドは、かつての名器、SA660と相通ずるものを感じさせる。低域の底知れぬ力強い迫力がそれだし、中高域のこの上ない充実したサウンドは、JBLアンプのそれに一段と透明度を加えたともいいたい。
 JBLファンにとってこのアンプの出現は限りない信頼感を加えた大きな標的ともなるに違いない。

サンスイ SP-505J(組合せ)

岩崎千明
スイングジャーナル臨時増刊モダン・ジャズ読本 ’73(1972年秋発行)
「理想のジャズ・サウンドを追求するベスト・コンポ・ステレオ28選」より

●組合せ意図及び試聴感
 LE8Tを愛用するハードなジャズ・ファンであるキミのため岩崎千明の名にかけて決定的な組合せをまとめた。
 これだ!! スピーカーにSP505J、つまりサンスイ−JBLが6年ぶりに発表する野心作、SP−LE8Tのハイグレード版がこれだ。
 中味は30センチ・フルレンジD123、つまりLE8Tの大口径ハイ・パワー型のユニットだ。同時に発表した、、おなじみD130のバック・ロードホーン入りの方に、よりなじみと魅力とを感じるが、これは家庭用というには、やや大げさすぎ、よほどのマニアでなければ、というところ。むろん、キミにスペースとふところのゆとりさえあれば、このSP7070Jも推めておく。
 LE8Tを一度、手元において愛用するとジャズを聴くかぎり、もうこれ以外のスピーカーには、ちょっと手を出しにくくなる。そうかといってグレード・アップする場合に、さんざん困っていたはずだ。しかし、もうこれからは解消したのだ。
 スピーカーについて、いろいろ述べることはなかろう。中味はJBLの大口径フルレンジ型で、箱はサンスイの手になりJBLが認めたチューンド・ダクト型だ。
 アンプは、当然このJBLスピーカー・システムを、もっともよく鳴らすべき製品、ということでサンスイの新シリーズAU7500だ。万事控え目のサンスイにふさわしく、あまり目立たぬ存在といわれるが、黒く引き緊ったやや小柄の外形からは想像つかぬほどのハイ・パワーとハイ・パフォーマンスだ。0・1%歪率という値は、実用範囲でおそらくひとけた上の、つまり数倍の価格の海外製にもひけをとらぬ高性能のデータも、使用するうちにうなずけよう。単純にいえば、ずっしりとこのアンプの重いことからも中味の充実ぶりは誰にでも判るのではないか。
 この7500の上にもうひとつ9500が登場するが、一般用と考えれば、JBLシステムの高能率で7500で十分。
 さて、この豪華にしてぜいたくなシステムを、より豊かにするため、4チャンネル・システムを想定した。
 もしLE8Tを持っているのなら、そのままリア用スピーカーとして流用でき、アンプはサンスイ・デコーダーQS100が最適。リア用パワーアンプが内蔵されAU7500のテープ・モニター端子に接ぐだけのことで、完全な4チャンネル・コンポーネント・システムとなる。
 カートリッジはオルトフォンM15スーパーをスペアに、チューナーにはAU7500と同じデザインのTU7500。

サンスイ QD-5500S, SD-3030

サンスイのオープンリールデッキQD5500S、SD3030の広告
(スイングジャーナル 1972年11月号掲載)

サンスイ FR-3060

サンスイのアナログプレーヤーFR3060の広告
(スイングジャーナル 1972年11月号掲載)

サンスイ QSE-4, QSD-4

サンスイの4チャンネルエンコーダーQSE4、4チャンネルデコーダーQSD4の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

qsd4

サンスイ SP-505J, SP-707J

サンスイのスピーカーシステムSP505J、SP707Jの広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

SP707

サンスイ SIX, SEVEN

サンスイのレシーバーSIX、SEVENの広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

Seven

サンスイ SF-1, SP-25, SP-35

サンスイのスピーカーシステムSF1、SP25、SP35の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

SF1

サンスイ QD-5500S, SD-3030

サンスイのオープンリールデッキQD5500S、SD3030の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

QD5500S

サンスイ AU-9500, TU-9500

サンスイのプリメインアンプAU9500、チューナーTU9500の広告
(ステレオ 1972年11月号掲載)

Sansui

サンスイ FR-2060

サンスイアナログプレーヤーFR2060の広告
(スイングジャーナル 1972年10月号掲載)

サンスイ AU-7500

岩崎千明

スイングジャーナル 8月号(1972年7月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 待つこと久し、待望の新型アンプがサンスイからで出た。おそらくは、ユーザー・サイド以上に、当のメーカーであるサンスイ自身が、待ち焦がれていた新型アンプである。
 メーカー・サイドの人々の、他社の新型アンプが目白押しに出る中で永く、苦しい待ち時間は、もうこれ以上どうにもならない域に達していたに違いない。それだけに、それらの人々の、山なす期待をずっしりと担って、やっと覆面をとったその「アンプ」は、意外や、ごくひかえ目で小じんまりおとなしい新製品であった。期待が期待だけに、その期待の中にせっぱ詰まったものさえ感じさせられていただけに、この「新型アンプ」に接したオーディオ・ファンは、少々肩すかしをくい、かなりの戸惑いを感じさせられたのは事実である。
 AU7500、AU6500の新シリーズは、外観的には、従来のサンスイのアンプ群と、一見、見分けすらつかぬほどの、ホンのちょっぴり「品の良い」変化をつけたにすぎない。規格の上でも、あるいはセールス・ポイントたるべきいくつかの特長も特にこれといった大きなものはなにもない。「25年のハイファイ技術をここに結集して完成した新製品」というメーカーのいい分は、いったいこのアンプのどこに生きているのだろうか。
 しかし、発表会では判然としなかったこの疑問は、新型アンプを手元において、その再生ぶりを確かめるに及んで完全に氷解したのである。
 メーカーのいう25年のキャリアはまぎれもなく、この新シリーズ・アンプの内に脈々と息吹き、輝きに重みすら加えていた。
 このアンプの再生品質は、今までのサンスイのアンプのそれとは格段の向上というよりも、まさに生まれ変わったとしかいいようのない素晴らしいものであった。素直な再生、温かみを感じる透明なサウンド、親しみのある音、これらすべてが、なんのためらいもなく冠せられる再生品位が、この新シリーズそのものなのである。しかも類い稀なる力強い迫力を伴って。
 サンスイのアンプを語るとき、必ず引っぱり出されるのはAU777の記録的ベスト・セラーだ。
 777のあまりに華々しかったこの成功は、しかし、時間と共にメーカーの負担にこそなれ決してプラスをもたらしはしなかったのではなかろうか。
 その証拠というと誤解を招くかもしれないが、何らかの形で777に影響された。その最たるものは777に見られる独特の華麗なサウンドだ。華麗というには当らないにしても、中域から高域にかけての充実ぶりを意識的に盛り込んだ再生ぶりはそれ以後のサンスイのアンプのひとつの特長といってもよかろう。アンプだけではない、スピーカーにすらこの意識的サウンドが見られる。しかしこのサンスイの777の成功には、もうひとつの底流があった。AU111から飛躍的なグレード・アップを実現して、当時驚異的な性能はマッキントッシュ管球アンプにも匹敵せんばかりだった303シリーズである。今や数少ない国産の幻の名器となったこのシリーズへの熱意と闘志とが、AU777の成功の源流となっていたことを見逃すべきではなかろう。
 そして、303シリーズの企画の時点にまでさかのぼって「社内に散らばった闘志の管球アンプやトランス技術者を集めることから新シリーズ・アンプの設計はスタートした」そうである。まさに25年のキャリアという以外の何ものでもない意気込みを知らされる。
 4チャンネルにおいて、後発の新勢力の強力な展開ぶりに必ずしも思うにまかせずQSはSQとしのぎをけずる激戦中という現状。切り離すべく道を選んだセパレート・ステレオは、皮肉にも4チャンネル時代に再び脚光を浴びつつある悲恋のメーカー、サンスイ。
 今や、進むべき路線は、高級コンポーネント・ステレオ専門メーカーとしてその成功だけにかかっていよう。
 しかし、決して惑うことはない。すでに新製品の完成こそ成功の第1歩として、それは刻みえたのだ。
 このアンプの控えめながら記された規格表の性能に目を落としたまえ。「定格出力にて0・1%歪、20〜20,000Hz」マッキントッシュの最強力型のそれに比肩さるべきこの規格に達したアンプは国産では2番目。最初のそれはTブランドの註文生産品で、価格はプリ&メイン90万円なり。パワーこそ半分弱だがサンスイ新シリーズ・アンプAU7500は75、900円なりである。
 なおパワーを25%ダウンし、アクセサリーを省略化したお買得型が、AU6500で65、000であることを加えておこう。
 アタックそのものがこなごなに飛び散るようなモフェットのドラムと、眼前で弦が激動するアイゼンソンのベースと、例えようもなく力強く胸にぐさりと突きささるコールマンのアルトの咆哮を前身に受けながら……。

サンスイ AU-6500, AU-7500, AU-666, AU-888, AU-999, CA-606, BA-100, BA-150, TU-7500, TU-666, TU-888, TU999, TAC-505, QR-500, QR-1500, SAX-350D, CD-5A, QS-1, QS-100

サンスイのプリメインアンプAU6500、AU7500、AU666、AU888、AU999、コントロールアンプCA606、パワーアンプBA100、BA150、チューナーTU7500、TU666、TU888、TU999、レシーバーTAC505、QR500、QR1500、SAX350D、エレクトリッククロスオーバーネットワークCD5A、4チャンネルデコーダーQS1、QS100の広告
(ステレオ 1972年10月号掲載)

Sansui

サンスイ TU-7500

サンスイのチューナーTU7500の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

tu7500

サンスイ SP-150

サンスイのスピーカーシステムSP150の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

sp150

サンスイ SD-5050S, SD-5000

サンスイのオープンリールデッキSD5050S、SD5000の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

サンスイ AU-6500, AU-7500

サンスイのプリメインアンプAU6500、AU7500の広告
(スイングジャーナル 1972年8月号掲載)

au7500

サンスイ QS-1, QS-10, QS-100

サンスイの4チャンネルデコーダーQS1、4チャンネルアダプターQS10、QS100の広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

qs100

サンスイ SP-150

サンスイのスピーカーシステムSP150の広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

SP150

サンスイ SD-5000, SD-5050S

サンスイのオープンリールデッキSD5000、SD5050Sの広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

sd5050s

サンスイ AU-6500, AU-7500, TU-7500

サンスイのプリメインアンプAU6500、AU7500、チューナーTU7500の広告
(スイングジャーナル 1972年7月号掲載)

au7500