Category Archives: カートリッジ - Page 36

サテン M-11/E

サテンのカートリッジM11/Eの広告
(スイングジャーナル 1968年2月号掲載)

M-11E

サテン M-11/E

サテンのカートリッジM11/Eの広告
(スイングジャーナル 1968年1月号掲載)

M11E

サテン M-11

菅野沖彦

スイングジャーナル 1月号(1967年12月発行)
「新製品試聴記」より

 サテンは従来より、独特の構造によるMCタイプのカートリッジ一本に心血をそそいできた会社である。ムービング・コイル・タイプとして唯一の針交換可能のもので、スパイラル・コイルと呼ばれる、ユニークな発電機構をもったオリジナリティに溢れたカートリッジである。カートリッジを変えると音が変るということは周知の事実だが、これにはいろいろな説がある。もっとも一般的にいわれていることは、MM、MC、IMなどというエネルギーの変換方式のちがいによる音の差である。つまり、磁場の中でマグネットの小片を動かして電気エネルギーに変換させるか、ごく軽量のコイルを振動させて電気エネルギーを得るかといったような問題である。これらの電磁型のカートリッジの他にも市場にはセラミック型、半導体型、静電型など数種のタイプが存在する。そして、もう一つ大切なことは、振動系(針先、カンチレバー、発電子、ダンパー)の材質、質量、構造、強度そして支持方式のちがいによる音の差である。なにしろマイクロ・グルーヴと呼ばれるように微細な音溝をトレースしなければならないから、カートリッジの振動系はできるだけ機械的な抵抗の少いものでなければならない。そのためにはまず軽量であること、自由に運動できる構造であることが必要となる。そして、この振動系は完全に音溝の変化を拾いあげ、また、それ以外の変化を付加してはならないから、針先の植えられた腕(カンチレバー)は特定の周波数で共振したり、振動を吸収したりしては困る。また想像を絶するほど複雑な振動をするものだから強度がなくてはならない。さらにこの振動体は常に正しい位置に保たれていなければならない。いいかえれば常に急速な復元力をもっていなければいけない。こういう目的のために針先を含むカンチレバーをそれに直結した発電子(マグネットやコイル)はできるだけ小さく軽く、しかも強く作られ、これを支えるダンパー(一般的にはゴム製)の材質の弾性や、これにかけられる圧力などの最適のものが要求されるわけである。
 この稿は新製品試聴記なので、カートリッジ自体についてあまり詳しく述べるスペースはないが、振動系の設計製作とエネルギー変換方式とは一体何であるかを知っておいていただくほうがよいと思ったので、ついつまらぬことを書き並べてしまった。まあ、とにかくカートリッジというものはミクロン・オーダーの機械運動を扱うものだけに、ほんのわずかなファクターも結果としてでてくる音質、特性に大きな影響を与えるものであることを知っていただければよいのである。
 そこで肝心のサテンのM11カートリッジであるが、この製品は、そうした、きわめてデリケートな構造の製品に対して長年の経験をもつサテンが、わき目もふらずに同一構造のものを追究し続けた一つの成果である。サテンの設計ポリシーはレコードの溝からすべてを拾い上げ、忠実に電気エネルギーに変換するため、そこには音づくりがなく、無個性でレコードの音に飽くまで忠実ということらしい。私には正直、何が本当にそのレコードの音なのかは解らない。自分で制作したレコードでも、一度レコードとなってしまうと、どういう音が本当にそのレコードの音なのかわからない。ただ、いい音か悪い音かがはっきりわかるだけだ。聴こえるべき音のすべてが聴こえるか聴こえないかがわかるだけだ。好きと嫌いがはっきりするだけだ。
 サテンのM11は今までの同社の発売したカートリッジで、私が聴いた限りでは最もよいカートリッジであるだけでなく、商品として対価格的な面も考えるとすばらしい製品だと思う。従来M8という優秀な製品もあったが、あまりにも高価で一般向きではなかった。MCタイプのカートリッジのもつ、2つの難点、針先交換不能と、低出力電圧のために必要とするトランスかヘッドアンプの併用、この点はサテンのM11については完全に解決されている。動作も安定しているし、解像力のよい明解な再生が得られる。全帯域にわたるバランスも聴感上大変好ましく、トレーシングも優秀である。欠点とはいえないが、カバーの腹の部分とレコード面との間隔がなさすぎて不安がある。カートリッジの取付、アームの高さなどが適切でないと盤面をこすりそうだ。

シュアー V15 TypeII, M75E, M44-5

シュアーのカートリッジV15 TypeII、M75E、M44-5の広告(輸入元:バルコム)
(モダン・ジャズ読本 ’68 1967年10月増刊号掲載)

Shure

サテン M-11/E

サテンのカートリッジM11/Eの広告
(モダン・ジャズ読本 ’68 1967年10月増刊号掲載)

Satin

ニート P-100, G-36, G-37, V-50, V-60

ニートのターンテーブルP100、トーンアームG36、G37、カートリッジV50、V60の広告
(モダン・ジャズ読本 ’68 1967年10月増刊号掲載)

NEAT

オルトフォン SL15, RS212, 2-15K

オルトフォンのカートリッジSL15、トーンアームRS212、昇圧トランス2-15Kの広告(輸入元:日本楽器)
(スイングジャーナル 1967年12月号掲載)

SL15

サテン M-11/E

サテンのカートリッジM11/Eの広告
(スイングジャーナル 1967年12月号掲載)

M11E

サテン M-11/E

サテンのカートリッジM11/Eの広告
(スイングジャーナル 1967年11月号掲載)

M11

サテン M6-8E, M7-8E, M8-45E

サテンのカートリッジM6-8E、M7-8E、M8-45Eの広告
(スイングジャーナル 1967年10月号掲載)

SATIN

サテン M6-8E, M7-8E

サテンのカートリッジM6-8E、M7-8Eの広告
(スイングジャーナル 1967年9月号掲載)

Satin

サテン M6-8E, M7-8E

サテンのカートリッジM6-8E、M7-8Eの広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

SATIN

東京サウンド ST-14, SMC-4E

東京サウンドのトーンアームST14、カートリッジSMC4Eの広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

東京サウンド

マイクロ MC-4000

マイクロのカートリッジMC4000の広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

MICRO

グレース F-8L

グレースのカートリッジF8Lの広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

グレース

シュアー V15 TypeII, M75, M44

シュアーのカートリッジV15 TypeII、M75、M44の広告(輸入元:バルコム)
(ステレオ 1967年9月号掲載)

シュアー

サテン M7-8E, M6-8E

サテンのカートリッジM7-8E、M6-8Eの広告
(スイングジャーナル 1967年8月号掲載)

ニート P-100, G-30, G-36, V-15, V-50, V-60

ニートのターンテーブルP100、トーンアームG30、G36、カートリッジV15、V50、V60の広告
(スイングジャーナル 1967年8月号掲載)

オルトフォン S15M, S15MT, S15T

オルトフォンのカートリッジS15M、 S15MT、S15Tの広告(輸入元:日本楽器)
(スイングジャーナル 1967年6号掲載)

ortofon

オーディオテクニカ AT-7

オーディオテクニカのカートリッジAT7の広告
(スイングジャーナル 1967年5号掲載)

AT7

オルトフォン S15M

オルトフォンのカートリッジS15Mの広告(輸入元:日本楽器)
(スイングジャーナル 1967年4号掲載)

Ortofon

オーディオテクニカ AT-7

オーディオテクニカのカートリッジAT7の広告
(スイングジャーナル 1967年4号掲載)

AT

トリオ V-45

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 プレイヤーを発売した時から、最高級カートリッジということで、MC型を採用しているのは、やはり清張殿著しいメーカーのセンスだ。一般の音楽ファンにも使いやすい針先交換の簡単な機構は、サテンとほほ同じものだが、便利で、愛用者の立場をよく知っているといえよう。性能もMC型独特の多くの利点は少しも損なわれていない。

ソニー VC-8E

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 ESシリーズのカートリッジとしてユニークな機構と使いやすさと保守の優れたMC型を採用している。大よその機構はサテンのMC型とよく似ており、音色も近い。針先交換の容易な点からも一般マニア向けだ。

ビクター MD-1009E

岩崎千明

ステレオサウンド 2号(1967年3月発行)
「プレーヤー・システム・パーツガイド」より

 IM型とはっきりと打出している所に、ビクターの音響メーカーとしてただならぬ気鋭を感じられる。というのは、今日のカートリッジの方向が、理論的にこのIM型の方向に進んでいくであろうことは大方の予想される所で、これをはばかることなく強調する点に、老舗でありながらそのすさまじいほどのヴァイタリティを感じられ、そしてこれには称賛を贈りたい。製品は、はっきりいって原型とみられるADCのそれにいま一歩と思われるが、その完成もごく近い時期であろう。