Category Archives: アンプ関係 - Page 115

トリオ TW-31, AFX-31

トリオのプリメインアンプTW31、チューナーAFX31の広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

TW31

パイオニア SA-70

パイオニアのプリメインアンプSA70の広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

SA70

パイオニア SC-70, SM-70

パイオニアのコントロールアンプSC70、パワーアンプSM70の広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

SM70

ソニー STR-6500

ソニーのレシーバーSTR6500の広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

STR6500

ラックス SQ505

岩崎千明

スイングジャーナル 1月号(1968年12月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 昭和のごく初めのラジオが普及期を迎える頃から、戦前の電蓄大流行の時期は今日のステレオ大全盛期と同じように多くの国内の新進メーカーが隆盛をきわめた。その中にあって、高品質のスイッチ、端子類、ソケットの類のメーカーで規模は大きくないが、ひときわ有名だった錦水堂というキャリアの長いメーカーが関西にあった。このメーカーはトランスをも手掛けていた。このトランス類を初め、全商品ともかなり高価であったが、みるから豪華な神経の行き届いた仕上げのたまらない魅力であった。私の家に戦前直前、つまり昭和16年頃作られたと思われる錦水堂と銘うった多接点のロータリー・スイッチがあるが、引張り出して確かめたら30年後の今だに接点不良を起すことなく、使用に耐えそうである。この錦水堂こそ、今日のラックスなのである。
 高品質という言葉はいろいろな意味を持っているが、ラックスのアンプの場合は特に信頼度が高いという点が強いようだ。
 ラックスのステレオ・アンプにSQ5Bというのがあるが、これは昨年末やっとカタログから姿を消したが、過去8年間にわたって、ままりステレオが始まってから、ずっと作られていたという日進月歩の電子業界にあって、まったくまれな存在の驚くべき製品であった。これも高い信頼性の裏付けであろうが、こんな例はラックスではちょっとも珍しくはない。SQ38Dというアンプもそうだ。今から4年前の製品で、しかも今なおマイナー・チェンジを受けたSQ38Fが現存し、管球式のステレオ・アンプとして貴重な存在にある。昭和初期からのラックスのポリシーは、ステレオ全盛の今日なお輝きを失っていない。トランジスター・アンプが各社からぞくぞく発表されるや、管球アンプで「もっとも頼りになるアンプ」う送り続けてきたラックスの、トランジスター・アンプが待たれた。それが1昨年末発表されたSQ77Tであり、そのデラックス・タイプが、301であった。SQ301は、管球アンプの音を、トランジスター・アンプによって実現すること技術を集中したと伝えられた。それは当時の他社のトランジスター・アンプとはかなり異った音色で、それが、ファンだけでなく専門家の耳さえも賛否の両論に別かれさせた。これはSQ301の存在が、アンプ界において大きなウェイトを占めていたからにほかならない。
 ’68年後期、つまり昨年の後半になってやっとラックスも今までにない意欲的な姿勢を示した。それがSQ505、606アンプの新シリーズの発表なのである。この新製品は、まさにラックスのイメージを一新した。ここには今までの、のれんを意識した老舗の感覚は見当たらない。しかし今までの永いキャリアは、全体の貫禄の中にずっしりと感じることができる。だがパネルにおけるデザイン、アンプ全体の仕様はまるで違う。フレッシュだ。まるでジムランのインテグレイテッド・アンプSA600にあるような、センスのあふれる仕上がりだ。パネルやつまみのつや消しや磨き仕上げの良さにもその新しいセンスがみられ、しかもスイッチの感覚に昔からの技術的神経の細かさが指先を伝わってくる。このアンプの音は前作得スキュー301とはかなり違う。もっと澄んだ音で、301をソフト・トーンとすればかなりクリアーな感じである。しかし、それでも他社のアンプとくらべると暖かさを感じる。いわゆる真空管的といわれているウォーム・トーンだ。
 つまりラックスのアンプに対する音楽的良心はフレッシュなセンスのSQ505にも少しもがけりなく光っているのを感じる。

ラックス 25C43, 25C44, 30C74, SQ38F, SQ78, SQ301, SQ505, SQ606, WL313, WL515, P-22

ラックスのスピーカーシステム25C43、25C44、30C74、プリメインアンプSQ38F、SQ78、SQ301、SQ505、SQ606、チューナーWL313、WL515、アナログプレーヤーP22の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

Lux

ソニー STR-6500

ソニーのレシーバーSTR6500の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

STR6500

ビクター MCA-104

ビクターのプリメインアンプMCA104の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

MCA104

サンスイ SAX-350, SAX-800, SAX-2000

サンスイのレシーバーSAX350、SAX800、SAX2000の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

SAX800

トリオ TW-31, AFX-31

トリオのプリメインアンプTW31、チューナーAFX31の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

TW31

ラックス SQ505, SQ606

ラックスのプリメインアンプSQ505、SQ606の広告
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

SQ505

ナショナル SA-54

ナショナルのレシーバーSA54の広告
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

SA54

サンスイ AU-555

岩崎千明

スイングジャーナル 11月号(1968年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より

 山水が、67年度ハイ・ファイ市場のベスト・セラー・アンプである傑作AU777を曹及型化したAU555を発表したのは、今春であった。そして、ちょうど同じ時期に、米国ハイ・ファイ市場で長期的なベスト・セラーを約束されたARのアンプが日本市場に入ってきた。
 この2つアンプはいろいろな意味で、それぞれの国民性をはっきりと表わしている点で、同じ普及型アンプながら対照的といえる。
 もっともARのアンプは、米国市場でこそあのあまりに著名なスピーカーAR3とともに、250ドルという普及品価格である、その点にこそ大きな価値があるのである。つまりコスト・パーフォーマンスの点でずばぬけているのであるが、日本市場では、ともに10万をかるくオーバーする高価格な高級品としてみなされており、その本来の価値がどこにあるのか見うしなわれてしまっている。しかし、本国では平均的月収の1/2〜1/4程度のあくまで普及品なのである
 さて、ARのアンプであるが、ARの創始者であり今春の組織変えまでの中心であり社長であったエドカー・ヴィルチャーの完全な合理主義にのっとった厳しい技術の集成である。そこには、スピーカーにみられると同じの、不要な所は徹底的に省略し、必要な所はとことんまで追求して費用も惜しみなくつぎこむという、いかにもきっすいの技術者根性がむき出しにみられる。そして、そのパネル・デザインは無雑作で、かざりひとつないみがきパネル、そこに5つのつまみが、デサインもなしにといいたいほど無造作に並ぶ。しかし、このつまみの間かく、大きさまで使いやすさを計算したものに違いないことは扱ってみて納得できる。もっともニクイ点は、スピーカー・システムAR3とつないだときに最大のパワー60/60ワットをとりだすことができる点であろう。
 しかし、ここであえて断言しよう。暴言と思われるかも知れないが。もしARのアンプの日本価格が半分になったとしても日本市場では、ARのアンプは売れることはないだろう。歪なく、おとなしい、優れた特性だけでは日本のマニアは承知しないのである。ARのスピーカーが圧倒的に高い信頼性を得ている日本においてもである。
 その解答が、AU555にある。AU555をみると国こそ違うが、それぞれの市場においてほぼ同じ地位にある2つのアンプのあり方の違いが、そのままその国のマニアの体質の違いとか好みを表わしていることを発見する。
 AU555には、ARアンプのような大出力はない。ほぼ半分の25/25ワットである。しかし、その範囲でなら0・5%という低いひずみは実用上ARアンプにも劣るものではなかろう。
 しかも、ARと違って入力トランスのない、つまり位相特性のすぐれた回路構成とフル・アクセサリー回路がマニアの好みと市場性をよく知ったメーカーらしく、AU777の爆発的な売れ行きのポイントが、この3万円台のアンプにも集約されているのをみる。
 25/25ワットの出力も日本の家屋を考え、サンスイのスピーカーの高能率を考慮すると、ゆとり十分といえよう。加えて、プリ・アンプとパワー部が独立使用できる点も、マルチアンプ化の著しい日本のマニア層の将来をよく見きわめたものといえよう。そのひとつがダンピング・ファクター切換にもみられる。2組のスピーカー切換と6組の入力切換はマニアにとって、グレード・アップのステップを容易にしよう。最近、さらにこのAU555と組み合せるべきチューナーTU555が出たが、共に今後当分の間、中級マニアにとってもまた初歩者にとっても嬉しいアンプであるに違いなかろう。

JBL SA600, SG520, SE400S, SE408S

JBLのプリメインアンプSA600、コントロールアンプSG520、パワーアンプSE400S、SE408Sの広告(輸入元:山水電気)
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

JBLamp

トリオ TW-31

岩崎千明

スイングジャーナル 10月号(1968年9月発行)
「ベスト・セラー診断」より

 自動車業界はいま米国のビック・スリーの攻勢を受けてこれに対決すべき態勢を迫られている。というニュースはもうおなじみになっている。その結論は自動車マニアならずとも少なからず気になるが、このなかで問題の焦点となるのがロータリー・エンジンのマツダと、4サイクルエンジンの技術で世界を相手にすでに定評をとっているホンダであろう。ロータリー・エンジンの方はその成果がこれから出てきて始めて結論が得られるのであるが、ホンダの方はすでに例の360ccがヨーロッパを始め世界的好評を集めている。このホンダ360の爆発的ともいえる成功からして、ビック・スリー上陸に対しても、技術で立向う一匹狼の気構えだ。
 そこにはかって零戦を生み、ハヤブサを例に上げた日本的な技術、制限された中でギリギリまで力を発揮し、驚異的な高性能を引き出すあの日本的な技術を発見する。そして、それとまったく共通な技術をクルマだけでなく、ハイファイ・ステレオの世界にも見出すことができる。それがトリオTW31だ。そして、おもしろいことに、ソ連がステレオを自国で普及したいため、ステレオの技術を日本から輸入ないしは提携を明らかにするとハイファイ専門メーカーの中からただトリオ一社のみが大規模メーカーに連らね名乗りを上げている。
 こんなところにも技術を売るホンダと共通な「技術のトリオ」を感じさせるのである。
 トリオのTW31が発売されたのは67年初めであった。その時点で、すでにTW61が日本市場でも爆発的な売行きを示していた。日本市場でもというのは、その2年ほど前から米国市場でTW61は、例のトリオ・ケンウッド・ブランドではなく、バイヤーズ・ブランドで圧倒的な売行きを続けてきたのである。米国市場で好評であったので、それを日本市場でも売ろうというやり方はハイファイ・ステレオ・メーカーだけではなく、他の多くのメーカーがしばしば用いる安全な販売手段である。
 そのTW61は普及価格で高級アンプなみのアクセサリーと性能をもっている点で、またその性能も価格から信じられないほどのパワーフルな高性能であった。
 日本市場の人気は海外から〝がいせん、デビュー〟したTW61の華をみごとに飾った。
 TW61のヒットを見て、日本市場のためにさらにその弟分として急拠、開発されたのがTW31である。そこには、TW61の「普及価格でありながら、高性能を備えた高級イメージのポピュラーな製品」という新らしい路線がさらに一段と凝結し、煮つめられた形で、具現化しているのである。
 TW61のつまみを2つ減らし、パネルを30%ほど小さくしたが、イメージとしてはTW61をくずしてはいない。23、000円台の低価格からは思いもかけない各チャンネル17ワットという大出力が得られる設計は、トランジスタアンプに早くから踏み切っていた開発技術とハイ・ファイの本場米国市場に長年輸出実績をもつ量産技術の結晶ともいえよう。性能からぎりぎりのトランジスタを用いるのは価格を押えられている以上余儀ないところだが、その力をいっぱいに引き出すことに成功しているのが、この31の大きなポイントになっていると考えられる。
 TW31の出現は、ハイファイをポピュラーなレベルの層にぐっと引きおろし点にあろう。TW31の発売によって、今まで価格の点で見送っていたハイファイ・ファンもその希望をアンプから実現し得たことになり、その意義は大きい。

トリオ TW-31, AFX-31

トリオのプリメインアンプTW31、チューナーAFX31の広告
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

TW31

ナショナル SA-54

ナショナルのレシーバーSA54の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

SA54

サンスイ SAX-350, SAX-800

サンスイのレシーバーSAX350、SAX800の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

SAX350

ラックス SQ38F

ラックスのプリメインアンプSQ38Fの広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

SQ38F

ステレオギャラリーQ 300B/I

瀬川冬樹

ステレオサウンド 8号(1968年9月発行)
「話題の新製品を診断する」より

 大阪は日本橋のオーディオ専門店、「ステレオギャラリーQ」が、WE300Bを大量に入手して、限定生産でアンプを作ってみたからと、本誌宛に現品が送られてきた。かつて八方手を尽してやっとの思いで三本の300Bを手に入れて、ときたまとり出しては撫で廻していた小生如きマニアにとって、これは甚だショックであった。WE300Bがそんなにたくさん、この国にあったという事実が頭に来るし、それを使ったアンプがどしどし組み立てられて日本中にバラ撒かれるというのは(限定予約とはいうものの)マニアの心理としては面白くない。そんなわけで、試聴と紹介を依頼されて我家に運ばれてきたアンプを目の前にしても、内心は少なからず不機嫌だった。ひとがせっかく大切に温めて、同じマニアの朝倉昭氏などと300Bの話が出るたびに、そのうちひとつパートリッジに出力トランスを特注しようや、などと気焔をあげながら夢をふくらませていたのに、俺より先に、しかもこう簡単に作られちゃたまらねェ! という心境である。
 とはいうものの、プッシュプルなら30ワット以上のハイパワーを(Aクラスで)楽々取り出す使いかたもできるところを、あえてシングルで使うという心意気に嬉しさを感じるのは、マニアならではの心理だろう。ただ、このアンプの回路構成はウェスターンのモニター・アンプの原回路にはまったくとらわれずに、12BH7のカソードフォロアを直結ドライブにシリコン整流器の電源回路と、全く現代風である。この点はオールドファンには不満かもしれない。シャシー・コンストラクションにもそれは当てはまる。クロームメッキとブラックの、マッキントッシュばりのコントラストが美しいが、300Bの傍らにWE310Aや274Bが並んでいなくては気の済まないマニアも少なからずある筈だ。
 しかし好き嫌いを別にしてこのシャシーの構成はなかなか立派なものだ。入・出力端子やACソケット・電源コード類が、シャシーの長手方向に二分されているのはコードの接続上扱いにくいことがあるかもしれない。それと、トランス・チョーク類に大きな赤で目立つLUXのマークが入っているのは、二個も並ぶとちょっとうるさい気がしないでもない。しかしメッキの光沢も美しいし、文字の入れ方もなかなかキメが細かくセンスが良い。パワーアンプとしては魅力充分というところである。
 自宅での試聴には、プリアンプにはJBLのSG520及びマランツ7を、スピーカーにはJBLの3ウェイ、タンノイGRFレクタンギュラー(オリジナル・エンクロージュア)、及びアルテック604Eをそれぞれ交互に組み合わせ、カートリッジにはEMTを使った。
 JBL、アルテック、タンノイのいずれのスピーカーでも、ふっくらと暖かく、艶やかに濡れたような瑞々しい音質である。WE300Bともなると、どうしてもある種の先入観をもって聴いてしまうが、常用のJBL・SE400Sに戻して音を確認し、再び300Bを聴いてみても(ふつうこのテストをすると大抵のアンプがボロを出してしまうのだが)、SE400Sのあくまでも澄明に切れ込んでゆく冷たいほどの爽かな解像力とは対照的に、豊かでしっとりやわらかい再生音には、えもいわれない魅力がある。比較のためにQUAD−II型も鳴らしてみたが、300Bは格段に上である。JBLと共に手許に置いて、気分によって使い分けたいという気持を起こさせたのは、昨年我家でテストしたマッキントッシュ275以来のことだ。要するに管球式アンプの最も良い面を十分に発揮した素晴らしいアンプで、特にタンノイやアルテックを良い音で鳴らそうという人には、ぜひ欲しくなるアンプのひとつだろう。この良さは、マランツよりもJBLのプリアンプと組み合わせたときの方が、一層はっきりと現われた。
 このアンプを、別項のテストリポートと同様の基準で採点するとしたら、音質に9・5、デザインに8・5を、わたくしならつける。価格の面では、ステレオ用一組の予価が12万円弱ということになると決して安いとはいえないが、音質や仕上げの美しさを別としても、WE300Bという球の稀少価値と思えば、好事家にとっては必ずしも高価すぎるものではなかろう。それを承知で入手して眺め・音を聴いてみれば、この出費は気持の上で十分報いられるだろうというわけで、コスト・パフォーマンスには7・5ないし8点がつけられる。
 ただ、中小メーカーの製品一般に共通する注意として、アフター・サービスに関しては、十分念を押しておくことは必要である。

サンスイ AU-222, AU-555, TU-555

サンスイのプリメインアンプAU222、AU555、チューナーTU555の広告
(スイングジャーナル 1968年9月号掲載)

AU555

マランツ Model 7T

岩崎千明

スイングジャーナル 9月号(1968年8月発行)
「オーディオ・コーナー ベスト・セラー診断」より

 米国系商社に本国から派遣されてくる米人技術者たちと私はよもやま話をすることがときどきある。しかし、いつも感じることだが、ハイ・ファイ・パーツに関する限り、彼らよりも、日本のマニアの方が、はるかにくわしく知っている。ただ米国内における事情とは無関係に、その製品だけについてであり、それは多くの場合、物を正しく判断する基準を狂わしていることも確かである。
 米人技術者に、マランツという名をぶつけてみると、この事情がはっきりする。多くの場合、こういう答が返ってくる。「マランツ! オウッあれは一般商品ではない。高級ハイ・ファイ・パーツの範囲を超えたもので、性能の良否をうんぬんするようなレベルからはるか高い地位にあり、一般のファンが使うことはないと断言できる。マランツが見られるのはスタジオぐらいなものだ。」
 そういう返事を、何回となし聞かされてきて、つくづく日本のマニアはめぐまれていると思うのである。ハイ・ファイに関係している米本国の技術者でさえ、業務用ということで、あまり身近にないマランツの製品、それが日本のハイ・ファイ市場では高価であるかも知れないが、いつでも自分の装置に加え得る身近な存在にあるという点についてである。
 これは日本のハイ・ファイ・マニアのレベルが、米国内におけるそれよりずっと高いことを意味しておりその点で、日本のマニアは大いに自信を深めてよかろう。おそらく、マランツの真価を本当に知り尽し、その高性能を100%活用することができるのは日本のマニア以外にはいないのではないかとさえ思うのである。マランツの製品は、本来業務用としてのみ作られた。モノーラル時代の大型プリアンプが「コンソレット」と名付けられていた。これはスタジオ用のミクサー・パネルをコントロール・パネルと呼び馴わしていたので、その小型化した便利な卓上用という意味からであった。ステレオ用になってステレオ・コンソールと改められ、業務用のモニター用主要製品として米国内のスタジオ内のラックに多くみられるようになってマランツの名はプロの間で有名になってきた。そして60年頃から二本でもマランツの名は、すでに最高級プリアンプとして紹介された。
 私自身が、マランツの真価を知らされたのは、かなり後になってからである。米国市場の主要アンプを、同じ条件のもとで聞きくらべたのは64年の夏の夜。アコースティックのI型II型の組合せ、サイテーションのI型II型なと当時の最高級アンプとくらべて、マランツのプリ・メインの組合せはもっとも目立たないおとなしい静かな音でARやタンノイを鳴らしたのであった。それは、輝きも迫力も華やかさもなく、しかしそれでいてもっともひずみの少なさを感じさせた。広い音声帯域を感じさせるのは他のアンプだったが、抵抗のない自然さはマランツの組合せが一番であった。
 私はそれからいくばくもなくしてマランツのプリアンプを自分のアンプの中に加えた。
 時代は変る。電子業界の進歩は1日ですべてが変革してしまう。
 マランツが真空管をトランジスタに切換えたというニュースは真空管にこだわってきたマニアにショックを与えた。しかしその最初の製品プリアンプ7Tはマランツの名声をさらに一段と輝かす傑作であった。旧型になかったえぐるような繊細さが清澄な再生能力に一段と冴えをみせていた。管球のそれはソフトだが、なにかぬぐい切れない膜がかんじられたが、7Tでは解消していた。初期の製品はフルボリューム時のノイズが問題とされたこともあったが、パワーアンプ・モデル15が出た今日、この組合せは世界一を断言するのにためらうことはない。
 私は経済的なゆとりがあるのならマランツ7Tこそもっとも買得のプリアンプであることを疑わない。
 その使用者のレベルが高くなればなるほど、それに応えてくれる高性能を秘めているという点を指摘したい。そして今日、日本市場における売行きが、立派にそれを物語ろう。

トリオ TW-61

トリオのプリメインアンプTW61の広告
(スイングジャーナル 1968年10月号掲載)

TW61

ナショナル SA-53

ナショナルのレシーバーSA53の広告
(スイングジャーナル 1968年9月号掲載)

SA53

トリオ TW-510

トリオのレシーバーTW510の広告
(スイングジャーナル 1968年8月号掲載)

TW510