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トリオ KT-7700

岩崎千明

週刊FM No.8(1976年発行)
「私の手にした新製品」より

 昔からチューナーはトリオっていわれてきたんだから、今度の高級品KT7700、悪かろうわけないよってなことをつぶやきながら、ケースから取り出して机の上にどんと置いて、やっぱりため息が出ちゃう。この新型は、とてもいいのだ。無駄な飾り気や視覚的夾雑物がない。つまり、あくまで機能本位でまとめられたパネルが実にすばらしく、さすがにチューナーのベテラン、トリオの最新型といえるほど外観的デサインの完成度の高さ。こりゃきっといい音がするぞと期待。プリ・アンプにリード線をつなぎ、付属のフィーダー・アンテナをちょいとつけて……またぴっくり。感度の高さ、調節のしやすさ。ダイアル・ツマミのタッチなど「いかにも高級チューナーの手ざわりが、スムースな回転とダイアル指針のすべるような働きではっきりと知ることができる。しかもメーターの針の動きがアンテナの高さに応じるようにシグナル・メーターが振れ、センター・スケールの同調メーターも、中点を中心としアンテナ入力に応じて左右に大きく振れるので、正しい中点を確実に探し出すことができるのだ。ダイアル目盛が長く、しかも等分目盛なので同調点を正確に求めることができる。
 かなりほめてしまったがまだ足りないくらいなのが「音」だ。力強くぐいぐいと量感もあって、しかも鮮明さを溢れるほど感じさせる。

トリオ KT-7700

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 標準的チューナーといってよい製品。チューナーに関して高い信頼性をもつトリオの製品らしく、ある機会にテストしたとき、このチューナーのSN比のよさ、音質のよさを実感させられた。これよりはるかに値段の高い、高級チューナーで、劣るものがいくつもあったといっておこう。

トリオ KT-7700

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 ペアとなるべきKA7300は改良型の7300Dとなって一段と性能が向上した。KT7700の方は内容的にはそのままらしいが、いまの時点でみても、あえて新型にすべきほどの弱点は見当りそうもない。音質は9700には及ばないにしても、傾向的にはよく似ていて、クリアーな受信ができる。

トリオ KT-7700

井上卓也

ステレオサウンド 39号(1976年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 チューナーの新製品では、性能重視型のFM専用機が増加しているが、このKT−7700も、同様なポリシーで開発されたニューモデルである。
 ダイアルスケールは、読取り精度が高いミラー付ロングスケールで、シグナルとチューニングメーターとマルチパス兼放送局の変調度を指示するデビューションメーターがビルトインしてある。フロントエンドは、局部発振回路組込みの7連バリコンを使ったRF2段タイプで、選択度2段切替型のIF部は、12素子セラミック型と8ポールLC集中型フィルター採用である。MPX部はFETによる復調スイッチング回路を使う低歪率設計であり、オーディオ部は、差動直結±2電源オペレーショナルアンプを使い、ローパスフィルターには7素子ノルトン型を採用するなど、高性能なFM専用チューナーに応わしい新技術が各ブロックに導入されている。

トリオ KT-7700, KT-5500

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(オーディオアクセサリー 1号掲載)

KT7700