オーディオテクニカのカートリッジAT35X、AT-VM3の広告
(スイングジャーナル 1969年11月号掲載)
オーディオテクニカ AT-35X, AT-VM3
アルテック Medina
スコッチ No.150, No.202
富士フィルム S-150
オンキョー MC2500
ヤマハ NS-15
岩崎千明
スイングジャーナル 11月号(1969年10月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より
世界最大のピアノ生産量を誇る日本楽器がスピーカーを作り出した、と聞いたとき、大して驚きもしなかった。その形態がいくら変っているとしてもそれはヤマハが世界に誇るエレクトーン用のそれであるから、とごく当然と考えていた。
そのスピーカーがハイ・ファイ用である、と知られたとき、かなり驚きをもってその話を受けとめた。
大きく薄型のヤマハのシステムが私の部屋へ試聴用に運び込まれたのは発売する半年以上も前だったが、その特異な形状は改めて見るとやはり奇異な思いにとらわれた。
私の知る限り、大型平板スピーカー以外の変形は英国KEF製のADCモデル18のウーファーの角のとれた長だ円型だけで、このヤマハのように奇妙な形は史上初めてであろう。
それまでのスピーカー技術をあざけ笑うようにさえ思えるこの妙なスピーカーは、アンプにリードを接ぎスイッチを入れると生々した、いかにもVIVEな感じで歌い出した。
その頃、私はアルテック515Bを組入れた845ボックス、つまりXA7用のウーファーを、愛用のアルテックのシアター用マルチセラー・ホーンと組み合わせて使っていた。
そのXA7の横においたヤマハのNSスピーカーは、アルテックに大したひけをとらずに太い低音を部屋いっぱいに轟かしたのであった。これにはかなり驚いた。今まで国産はおろかアルテックの業務用のこのウーファーと並みで音を出せるスピーカーなどでJBL・D130を除いては全然なかったからだ。
ヤマハのNSスピーカーの低音はJBL以上に高能率だった。そして何よりも、その低音はその頃の国産のウーファーにあり勝ちだった重い押しつけがましいことはないし、明るくカラリと澄み、鮮かなアタックは冴えていた。ただ、A7の深い低音域までの延びが、NSスピーカーには物足りなかったのであった。
しかし業務用のXA7という価格の上でひと桁も違うスピーカーとあまり大差ない鮮かさを、従来の国産ではまったく苦手だったウーファーという分野において外国製と匹敵するこの成果は大いにたたえてよいと思う。
このシステムはほかに中音用と高音用の3ウェイ・システムであったがこの部分が原因となっているのか判らないが、中音域の上でかなり派手な音作りがなされ、ハイ・ファイ用というにはいささかためらわざるを得ない試聴品であったことを加えよう。その後、このシステムの最新型がヤマハ・ミュージック・ショーで発表されたが、変形のカーブがかなりスッキリして、KEFの長方形スピーカーによく似た形をとってきた。そして音質的にはきわめて素直になりやや派手さのあった中音域はおとなしく、しかもNS本来のVIVEな生々しさは少しも失なわれていないようであった。
NSのこの優秀性は技術的に2つのポイントにしぼれると思う。そのひとつはすべてのスピーカーにいえることだが強力なマグネットであり、もうひとつは大きな面積をもったコーンが、軽く丈夫なためである、この軽いコーンは、物理的にただただ特性を良くすることをやっていない点だ。この特性本位から音色本位の技術はピアノや楽器創りのヤマハならではの姿勢であろう。この姿勢から今日のNS15のようなハイ・ファイ用としても優れた性能のスピーカーが生れてきたことは注目してよかろう。ドラムの乾いたスキンの音を、迫力十分に伝えるこのスピーカーの行き方は、従来のスピーカーの進むべき道を変える要素を持っているだけに今後が期待できよう。
ソニー TA-1166, ST-5300
サンスイ SAX-150, SAX-250
ラックス SQ503, SQ507, CL35
ソニー SLH
アルテック Medina
富士フィルム S-150
アコースティックリサーチ AR-4a
岩崎千明
スイングジャーナル 10月号(1969年9月発行)
「SJ選定 ベスト・バイ・ステレオ」より
AR4は米国のAR社の製品中、もっともポピュラーな小型のブックシェルフ型スピーカーである。
AR社、詳しくはアコースティック・リサーチ社は50年代末期に米国ハイ・ファイ界にデビューしたまだ10年を経たぬ新進メーカーであるがそのユニークな技術に裏書をされた優れた製品は、すべて米国市場で空前といえるほどのベスト・セラーを続けている。おなじみの米国コンシューマー・レポート誌のテストにおいてAR社の製品はひとつ残らず、A BEST BUY つまり「絶対お買徳」と判定されてきた。コンシューマーキラーといわれるゆえんがこの辺にあるのだが、発売するすべての製品が、これほどにうけるのは、万事合理的、機能最高主義の米国人気質に徹底した技術と企画のうまさが物をいっているのであろう。
AR社は米国内ではAR2およびAR3の2種のスピーカー・システム、ARXAと呼ぶプレイヤーとが家庭用ステレオの独占的製品としてよく知られているのだが、日本市場ではスピーカー・システムのみが高級製品としてよく知られている。アコースティック・サスペンション方式の低エフ・ゼロ・スピーカーはブックシュルフ・システムの別名とまでなっているが、いずれも日本では10万を越す高級品で、AR2からグレード・アップした最近のAR5も12万以上と、すべて家庭用スピーカーとしては輸入品の中でもきわめて割高だ。
しかし、ユンシューマー・レポート誌のA BEST BUYに選ばれることからも判るとうり、コスト・パーフォーマンスの点で非常に優れているのがARの製品の特長であり、それがベストセラーとなる最大の理由なのである。つまりARの製品はすべてポピュラーな性格の製品なのであり、しかも高性能という点に価値が高いのである。さて、ARスピーカーの中でもひときわポピュラーなのがAR4aである。20センチの低音用と高音用スピーカーとの2ウェイ方式のこの小型のシステムは、ポピュラーな製品と狙って生れてきたわけではない。
このAR4の発売された67年の前年には、英国の代表的スピーカー・メーカー・グッドマン社が超小型システム「マキシム(米国名マキシマス)」を発売し、それは米国市場で大へんな人気を呼んだ。名とは逆にごくミニマム・サイズの「マキシム」は小さな体に似合わず、力強い低音とすばらしい中高の解明力で、なにごとも大きいものの好きな米国人の間でもかなり売れた製品であった。
小型車VWワーゲンに対すると同ように輸入品に対する対抗製品のトップ・バッターとして、それを作るにふさわしいベスト・セラー・メーカーAR社が、マキシムを意識して作ったのがこのAR4であった。
AR4はマキシムほど小さくはないが従来のARスピーカーのサイズよりはずっと小柄だ。しかし、その小柄に似合わず、大きな音を出した時にもびりつくことはなく、音にゆとりがある。小さく鳴らした時の澄んだ音は、大きく鳴らした時にも、少しも影りをみないのはさすが米国製品である。「能率の低い」という点はARスピーカーの大きな欠点でありまたその特長ともなっているが、AR4も能率はあまり良くない。しかし大きな電気入力を加えた時、つまり大型アンプで鳴らすAR4の素直な音はさすがハイ・ファイの本場米国のベストセラー製品とうなづけよう。特に、プログラムを選ばず、ヴォーカルもソロも、フルバンドも、ドラムもそしてピーターソンのピアノも素直な響きで鳴らす。
38、000円という価格は日本市場ではちょっと割高だが、このスピーカーもまた価値がある製品なのである。























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