デンオンのアナログプレーヤーDP40F、DP50F、カートリッジDL103/TIIの広告
(ステレオ 1979年2月号掲載)
ソニー DR-Z5, DR-Z6, DR-Z7
シュアー V15 TypeIV
スタックス SR-Σ, SRM-1
アントレー EC-10, EC-1, ET-100
YL音響 DS-7000
Lo-D HS-50, HCC-50, HMA-50
プレシジョン・フィデリティ C4
EMT 927Dst, TSD15, XSD15, KEF Model 105, Model 104aB, UREI Model 813, K+H OL10, スチューダー A68, B67
ベイヤー ET1000, N1000
トーレンス TD126MkIIIc/MC
パイオニア S-140, S-180
パイオニア A-8800X, F-8800X
GAS Thaedra II, Ampzilla IIa, Thalia, Grandson, ピラミッド T1H
チャートウェル LS5/8
瀬川冬樹
ステレオサウンド 49号(1978年12月発行)
特集・「第1回ステート・オブ・ジ・アート賞に輝くコンポーネント49機種紹介」より
LS5/8は、BBC放送局とチャートウェル社との共同開発によって一九七六年に完成した最新型のモニタースピーカーで、バイアンプリファイアードライブの2ウェイ。今後次第にBBCの主力モニターとして使われるという。
BBC放送局は、技術研究所の主任研究員であったD・E・L・ショーターを中心として、一九五〇年代からすでに、厖大な研究を積み重ねながら独自のモニタースピーカーの開発に着手しているが、最初のモデルLS5/1Aは、一九五〇年代の終りにはほとんど完全な形をととのえて、一九六〇年代にはBBCの各放送局のスタジオで、マスターモニターとして活躍をはじめた。これは当時としては驚異的に広帯域かつ平坦な周波数特性で、指向性も優れ歪も少なく、極めて自然な音を再生する、世界でも最高の水準のモニタースピーカーであった。この開発の実際面で協力しながら製造に当ったのが、KEFであり、その社長レイモンドクックであった。
BBCの技研では新しい時代の技術的な進歩を見越して、LS5/1Aの完成後まもなくモニタースピーカーの改良に着手したが、その研究開発は、ショーターのあとを次いだH・D・ハーウッドを中心にプロジェクトチームが組まれた。ハーウッドは一九六三年から六六年にかけて、ポリスチレンをコーン型スピーカーの振動板に応用して、12インチのウーファーを完成。それに8インチのコーン型と、LS5/1Aにも採用されていたセレッションHF1300を改良したトゥイーターを加えて、3ウェイのモニタースピーカーを作り上げた。これはLS5/5と名づけられた。またTV局用にエンクロージュアを変形させたものがLS5/6と呼ばれた。この2機種は、BBC技研に所属する工場で必要量のみ生産され、LS5/1Aと併行しながら使われた。
一九六三年からBBC技研に入所した若いエンジニアであったデイヴィド・W・ステビングスは、ハーウッドの下でLS5/5及び5/6の開発に協力しながらスピーカーの研究に従事した。このステビングスが、十一年間勤めたBBCを一九七四年に辞めてスピーカーのメーカーを創設したのが、チャートウェル・エレクトロ=アクースティック・リミテッドである。
一九七〇年代に入ってから、LS5/7という改良型が一時使われたがその期間は短く、チャートウェル社が設立されてからは、新しい時代のためにより大きな音圧レベルを、いっそうの広帯域で再生するためのモニタースピーカーの研究が開始され、前述のようにいまから約三年前に、このLS5/8を完成した。
この新しいモニタスピーカーは、ウーファーにチャートウェル独特の乳白色・半透明のポリプロピレンの振動板を持った12インチ。トゥイーターはフランス・オーダックス製のドーム型が使われている。そしてQUAD♯405を内蔵してバイアンプリファイアーを構成し、♯405の内部のほんのわずかのスペースに、プリント基板に組み立てられたエレクトロニック・クロスオーバー(周波数1・8kHz)を組み込んでいる。QUADのL・R各チャンネルを、高・低各帯域用として使っている。
おそらくバイアンプのせいばかりでなく、LS5/1Aよりも音のひと粒ひと粒を際立たせるような解像力のよい、自然な、しかしイギリスの良質のスピーカーに共通のどこか艶めいた美しい音は、聴き手をひき込むようなしっとりした雰囲気をかもし出す。ハイレベル再生時の音量の伸びも申し分ない。LS5/1Aや5/5と違って、少量ながら市販用として供給されるので、一般愛好家にも入手の可能な点はうれしい。
























最近のコメント