菅野沖彦
ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より
ラックスは、トランス、アンプリファイヤー・メーカーとしては日本最古のメーカーといえるが、プレーヤーシステムの部門においてはそれほどの歴史はない。しかし、アンプの一流メーカーから生み出されたこのプレーヤーは、同社のオーディオの分野における信条と感覚がよく反映され、見事な雰囲気が漂っている。その点において、私はこのPD121、PD131に高い評価を与えたいと思う。
一口にしていえば、デザインの美しさということになるかもしれない。しかし、ラックスはプレーヤーの専門メーカーではなく、もちろん自社でパーツを作っているわけではないが、非常に高級なパーツをアセンブルして、このようにセンスのいい一品に仕上げるということは、やはり一流の感覚をもつプロデューサーがいなければ出来ないことである。レコードをかける心情にピタッとくる繊細さと、オーソドックスなプレーヤーらしい形を備えた美しい製品だ。
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