瀬川冬樹
ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より
鮮明──というより尖鋭といいたい解像力の良さ。ことに打楽器のディテールがシャープに、張りつめたような迫力で鳴る。反面、弦楽器や女声がいくらか金属的に聴こえるところが、長期間鳴らし込んだらどう変化するか興味深かった。最近になって、ある愛好家が相当の期間鳴らし込んだものを聴く機会があった。本質的な尖鋭さ、硬さ、という性格までは変わらないが、それを弱点という必要のない程度まで、よくこなれて鳴っていた。
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