ラックス 8025

井上卓也

ステレオサウンド 60号(1981年9月発行)
「MCカートリッジ用トランス/ヘッドアンプ総テスト──(下)」より

 無酸素銅線のコイルとトロイダルコアを採用し、独特なプラグイン方式の構造をもったステレオ昇庄トランスである。入力は切替なしに3〜40Ωをカバーするタイプで昇圧比は1対10・5、トランスとしては比較的類型の少ない、入出力が逆相の反転トランスである。
 帯域バランスは低域を抑えた細身のシャープなタイプで、高域は素直に伸びている。音に適度にコントラストをつけ引締まった明快なサウンドであり、分離はトランスとしては優れる。
 MC20は軽快でクッキリとコントラストをつけた音だが、少しスケールが小さく、305はよりナチュラルな帯域感をもち、適度に繊細でありながら音の芯がクッキリとし、楽器固有の音をそれらしく聴かせるが、やや小さくまとまる。

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