菅野沖彦
ステレオ 4月号(1970年3月発行)
「アンケート/オーディオ製品のあり方と価値判断の方法」より
①よいオーディオ製品の条件
性能が優秀で、明確な設計思想と高い感覚性の感じられる製品。それ以上書くと長くなります。
②パーツについてどのようにテスト、性能判断をするのか
徹底的に主観的です。つまり自分の納得できるシステムの一部に、そのパーツを組み込んで、気に入った音が出るかどうかが第一です。プログラム・ソースも自分の好きなものを選んでテストします。
③ユーザーに、パーツを見きわめる場合のアドヴァイス
自分の音をもつこと。もてるまで体験を重ねること。常に自分の音が、より洗練されるべく音楽的体験を積むこと。科学的な常識を身につけること。そこへ達する前の初心者は自分の気心の合う人でオーディオに詳しい人に相談するのがよい。いくらオーディオのベテランでも、自分と感覚や嗜好の極端にちがう人からは知識を得られても、音への導きは得られないと思う。
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