シャープ CP-31

瀬川冬樹

ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より

 まず外観だが、山水の格子のデザインをへたにモディファイしたような、まるでそっくり頂きのようなデザインを、こういうい大メーカーが平気で売るという神経は断じて納得できない。なるほど、細かくみれば格子のパターンも違うしキャビネットのディテールも違うのだから、意匠登録には牴触しないかもしれないが、こういう商売のセンスは、わたくしは嫌いだ。
 そういうことで印象を悪くしたが、そういう先入観で音を判断するような態度は、できるだけ避けたつもりだ。けれど、少なくとも各音域間の音のつながりのよくないこと、音域によって音の性格が変るところは、やはり具合がよくない。抑制が利かず、音が野放しに鳴るのに、低音が不足していて、バランスのとりかたにも再検討の要がありそうだ。

採点表
大編成:★★
小編成:★★
独奏:★★
声楽:★★★
音の品位:★★
音のバランス:★★
音域の広さ:★★★
能率:★★★
デザイン:★★
コストパフォーマンス:★★

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