スタントン 681EE

瀬川冬樹

ステレオサウンド 12号(1969年9月発行)
特集・「最新カートリッジ40機種のブラインド試聴」より

 中高域をやや盛り上げて、高域を抑えたような特徴のある音質。ジャズのコンボなどでは、独特の近接感が出て、厚味とコクのあるウォーム・トーンを聴かせるが、最高音域が柔らかく丸めてあるので、ブラッシュ・ワークの切れ込みや繊細感に不満が残る。オーケストラや弦合奏では、したがって抜けの良くない甘い音になり、幕一枚向こうで鳴る感じになる。スクラッチノイズは少ない、という方ではない。声やピアノでも近接感のある腰の強い音になるが、やや圧迫感がなくもない。しかし、音全体に、なめらかさと力強さがあって、相当に個性的なカートリッジだという印象を受ける。ハイのしゃくれ上がった音の嫌いな人には、好まれる要素を持っている。

オーケストラ:☆☆☆☆
ピアノ:☆☆☆☆
弦楽器:☆☆☆☆
声楽:☆☆☆☆
コーラス:☆☆☆☆
ジャズ:☆☆☆☆
ムード:☆☆☆☆
打楽器:☆☆☆☆
総合評価:80
コストパフォーマンス:75

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