瀬川冬樹
世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より
弟分の1003のところでも書いたと同じように、相対的にはバランスのよくとれた音で、ことさらにこのコントロールアンプでなくてはという音の特徴もないかわりに目立った弱点もない製品で、その点が安心できるともいえるし、しかしこの価格になればもう少し何かプラス・アルファも欲しい気もする。1003との比較では、こちらの方が音の艶があり密度も増して、聴きごたえの出てくる反面、中〜高域で、表面はおとなしくコントロールされているようで気づきにくいが、プログラムソースによってはときとしてかなり張り出してくるエネルギーがある。それをもう少しおさえることと、ハイエンドではもう少し目の前が開けたような透明感も望みたくなる。
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