パイオニア C-21

瀬川冬樹

世界のコントロールアンプとパワーアンプ(ステレオサウンド別冊・1978年春発行)
「最新型94機種のテストリポート」より

 パイオニアのアンプは、エクスクルーシヴ・シリーズを含めて総体にどちらかといえばソフトでウェットな音を聴かせるタイプが多いが、このC21はその中ではむしろ例外的に、かなり乾いた感じの、わりあい素気ない音がする。音の表情が硬いというか、音をひとつの鋳型に押し込んだように、練り固めたような骨っぽい感じに聴こえる。6万円という価格は今日とりあげたコントロールアンプの中でも最もローコストの部類だから多くを望むのは無理かと思うが──。サブソニック・フィルターをONにすると音の硬い傾向がわずかとはいえさらに増す。ゲインコントロールは0のところよりも一杯に上げた方が、音の伸びとしなやかさが出てきてこの方がよかった。

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