岩崎千明
ステレオサウンド 41号(1976年12月発行)
特集・「世界の一流品」より
もう10年くらい前かな、いやもっと以前のことか。オートチェンジャーというものに対する観念をすっかり変えてくれたのが、デュアル1019だった。つまりこの1249の母型ともいえるもので、当時の一般的なオートチェンジャーの感覚で受け止められ得る平均的な外観のオートチェンジャーだった。ところが、物体の方は他のチェンジャーとは少々異っていて、それまでの考え方をすっかり変えてしまうに足りる「完璧さ」と「正確さ」を併せ持っていた。
その上、使い始めなんと6年間も、かなりの使用頻度の苛酷さにもびくともせずに、常に最初と回じ正確さと精密な動作を崩さなかったのには度肝をぬかれた。アームをより軽針圧化させ、ターンテーブルを12吋にして、さらにマイナーチェンジを二度経て1249となって今、デュアルのオリジナル製品としての伝統とキャリアは、アメリカ・日本を中心に、世界のあらゆる国にあまねく知られている。
ガラードからデュアルの手に移ったオートチェンジャーの品質的な地位ほ、当分ゆるぎそうにないと思える。
そのオリジナル製品が、デュアル独特の機構により成り立つ上、そのオリジナル機構は、今も主要機構は少しも変ることないという点でも一流たるにふさわしい。
軽針なオートチェンジャーとして、あるいはフルオートプレイヤーとして、今、初級フアンの激増する時デュアルの1249の価値はますます高くなってくるし、また求められるであろう。
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