トリオ LS-100

井上卓也

ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 LS100は、コーン前面に放射状にリブをつけた25cmウーファーと口径4cm平面振動板トゥイーターを組み合わせたユニークな2ウェイ・ブックシェルフ型である。
 ウーファーは、リブドHAプレスコーンと名付けられた独自のコーンを採用している。従来からもトリオのスピーカーシステムは、低域ユニット用に損失が少なく軽量のコーンを使い、中音、高音と周波数が高くなると次第に損失の大きいコーンを採用するという、一般の手法とは逆のアプローチを見せた点に独自性があったが、今回も低損失、軽量のホットプレスコーンに、コーンと同一素材のリブを奇数個つけて軽量、高剛性のリブドHAコーンとし、インナー・ロスを追放したコーンのキャッチフレーズでその設計思想を表面に出している。トゥイーターは、断面が台形のアクリル樹脂振動板採用のプレーンラジェーターで、磁束密度は15、000ガウス、音圧レベル91dBの定格であり、2kHzクロスオーバーで使用される。
 エンクロージュアはバスレフ型で、ユニット間の振動クロストークを防ぐ独自の2重構造バッフル採用、ネットワークも素子間の電気的クロストークを防ぐ目的で、ネットワークを遠隔配置している。
 LS100は活気のある低域をベースに2ウェイ独特の細身ですっきりとした音が特長。低域は反応が速く質も高い。

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