デンオン DP-50L

黒田恭一

ステレオサウンド 48号(1978年9月発行)
特集・「音の良いプレーヤーシステムは何か クォーツロック・DDターンテーブル18機種をテストする」より

 プレーヤーシステムとしての性格を、積極的か消極的かといったようなわけ方をするとすれば、このデンオンDP50Lは、消極的なプレーヤーシステムということができるだろう。しかし、むろん、消極的ということは、よくないということではない。この場合の消極的というのは、ごりおしにならない、音がはしゃぎすぎない、音像が肥大しない──ということで、それは、すっきりした音を望む人にとって、はなはだ望ましいことだと思う。
 とりわけ、シュアーV15タイプIVでの反応は、注目すべきものだったといえるのではないか。たしかにひびきそのものは薄味だったが、音像のひきしまり方など、このましかった。もしこのプレーヤーシステムでつかうカートリッジを、この三つの中から選ぶとなれば、必然的にシュアーV15タイプIVということになるだろう。
 そこでききてに与える印象が、たとえスタティックだとしても、ききてにかなりの音の見通しを可能にするということは、このプレーヤーシステムの美点といっていいように思う。

Leave a Comment


NOTE - You can use these HTML tags and attributes:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください