デンオン DP-1800

井上卓也

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 デンオンには、すでに、プレーヤーベースの上板に天然大理石を採用した、DP3750があるが、このDP1800も基本的には、同じ構想でまとめられたプレーヤーシステムである。
 DP1700の上級modelである、このシステムは、まず、質量が大きく耐ハウリング性を向上するためと、デザインの両面からプレーヤーベースに天然大理石とパーチクルボードを接合して使用している点が目立った特長である。
 フォノモーターは、基本型は、DP1000で、ストロボスコープ窓部分にカバーが付けられた点と、レーザー光によって振動解析の結果、スピーカーからの音圧などによるレコード盤の振動を抑え、音質の劣化を防ぐ、新開発ブチルゴム系のターンテーブルシートを使っている。
 トーンアームは、S字型のスタティックバランス型で、1回転で2・5g針圧が変化する回転型のカウンターウェイト、ダイアル式のアンチスケート機構をもつが、アームボディとパイプ間に、ダイナミックダンピング機構が設けられ、パイプ自体をダンピングするほかに、プレーヤーベースからの振動を抑えて、カートリッジの性能を素直に引き出す設計である。
 このシステムは、音をスッキリと整理して聴かせるタイプである。聴感上の帯域バランスは、とくに伸びきった印象こそないが、ナチュラルであり、素直にカートリッジの音色を引き出す点は好ましい。このクラスのシステムとしては、基本的なクォリティも高く、オーソドックスな製品である。

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