井上卓也
ステレオサウンド 55号(1980年6月発行)
特集・「’80ベストバイコンポ209選」より
10万円以上は、いわゆる高級デッキの存在する価格帯である。基本的には、15万円台をボーダーラインとして分割して考えられる。
10〜15万円の価格帯では、メタル対応モデルが各社から比較的早く製品化されたため、昨年のオーディオフェアを境に新旧の世代が分かれているが、やはり、新しいモデルにメリットが大きい。
まず、10万円に近い価格では、基本的に、9万円台のわずかに性能向上や機能が増したモデルが多く、選択はシビアになる。高級機らしさを性能、機能、構造に求めれば、やはり14〜15万円台で、定評のあるメーカーのトップモデルか、昨秋以降の新製品を選べば、普及機では考えられないようなメタルテープの凄さを満喫できよう。また、このクラスはLH、コバルトテープの音が、一格異なった味であるのも楽しい。
15万円以上は本来のスペシャリティで、メーカーも限定されるが、新世代のこのクラスデッキは、使い方さえ正しければ、普及型のプレーヤーシステムとは比較にならない、高性能と高クォリティの音を聴くことができる。
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