井上卓也
ステレオサウンド 38号(1976年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より
シンセサイザー方式のFMチューナーとしてはオーレックスの第2弾製品である。価格的には、複雑な構成のために10万円をわずかにこしてはいるが、デジタル表示の未来志向型のチューナーとしては、充分に魅力的な価格であるの楽しい。
選局は、カード式の変形ともいえる4組のFMユニット(周波数メモライザー)の内部にFMピンボードを規定に従ってあらかじめ希望局の周波数に合わせてセットすれば機械的に周波数はメモリーで気、このユニットにラベルを貼り局名を表示できる。
マニュアルは、10MHzの桁で70か80を選択し、1MHzと0.1MHzは8、4、2、1を加算して0〜9を選択する方式で、最初は難解に思われるが慣れれば明解であるため、問題はない。プリセットチャンネルスイッチは4個のFMユニット用と、マニュアル用の5組あり、マニュアルはあらかじめセットしておけば、第5のFMユニットとしても使用できる。ファンクションとしては、国内の放送バンド以外の周波数をマニュアルでセットした場合になどに、点滅して警告するチューニング・エラー表示ランプやエアチェックのレベルセッティングの目安となる50%変調と100%変調に相当するレベルの信号が出力端子に出せるエアーチェック・レベルスイッチなどを備え、この種のチューナーに、ふさわしいものとしている。
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