瀬川冬樹
ステレオサウンド 16号(1970年9月発行)
特集・「スピーカーシステム最新53機種の試聴テスト」より
10号のブラインド・テストのときのものと違って、3000Hトゥイーターが追加された方のモデルである。
419Aユニット一本だけの方は、あまりにも逞しく、押しつけがましいほどの饒舌さに閉口したが、3000Hが加わると、3kHzからの変化でこうも全体の音質が変るのかと驚くほど改善される。いまさらながら、3000Hのすばらしさに感心させられる。IIILZのぜい肉のない細身な感じとは正反対に、赭ら顔の太ったアメリカ人に、大きな声で元気よくあいさつされているような感じの、野放図といいたいような元気さはむろん同じだが、高域が素直によく伸びているため、適度に繊細感が加味されて、バランスの良い音質になっている。ただ、メディナ同様に、419Aも、ほんらいはもっと大型のエンクロージュアで本領を発揮するユニットだ。
採点表
大編成:★★★★
小編成:★★★
独奏:★★★
声楽:★★★
音の品位:★★★
音のバランス:★★★★
音域の広さ:★★★★
能率:★★★★★
デザイン:★★★★
コストパフォーマンス:★★★
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