Category Archives: ビクター - Page 16

ビクター SRP-B30, SRP-B40

ビクターのアナログプレーヤーSRP-B30、SRP-B40の広告
(スイングジャーナル 1969年8月号掲載)

Victor2

ビクター TD-694

ビクターのオープンリールデッキTD694の広告
(スイングジャーナル 1969年8月号掲載)

TD694

ビクター AST-135TS, AST-150TS, AST-217TSb

ビクターのレシーバーAST135TS、AST150TS、AST217TSbの広告
(スイングジャーナル 1969年8月号掲載)

Victor1

ビクター GB-1B

ビクターのスピーカーシステムGB1Bの広告
(スイングジャーナル 1969年8月号掲載)

GB1B

ビクター BLA-E10, BLA-E20, BLA-E30, BLA-E40

ビクターのスピーカーシステムBLA-E10、BLA-E20、BLA-E30、BLA-E40の広告
(スイングジャーナル 1969年6月号掲載)

BLA-E10

ビクター TD-694

ビクターのオープンリールデッキTD694の広告
(スイングジャーナル 1969年5月号掲載)

TD694

ビクター GB-1B

ビクターのスピーカーシステムGB1Bの広告
(スイングジャーナル 1969年5月号掲載)

GB1B

ビクター CHR-200

ビクターの8トラックテープデッキCHR200の広告
(スイングジャーナル 1969年5月号掲載)

CHR200

ビクター MCA-104

ビクターのプリメインアンプMCA104の広告
(スイングジャーナル 1969年4月号掲載)

MCA104

ビクター BLA-E40

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 すっきりと端正なシェイプをもったバランスで、癖のない再生音が得られた。高音域の質がよくしなやかで柔らかい音色をもちながらよくのびている。中音域と低音域の間に抜けが感じられ、パンチの弱さとなっている。こうしたバランスはクラシックにはむしろ暴れのない再生音で美しいが、ジャズには弱さが出て迫力に欠ける嫌いがある。中音域の充実はジャズ再生の絶対の条件だといってもよいだろう。

ビクター BLA-E30

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 すっきりとした明るい音は美しい。切れ込みも良く、バランスも整っている。ただ、音に余裕がなく、オーケストラの量感、ステレオフォニックな陰影の再現には、やや不満があって音が平板である。しかし、傾向としては弦楽器を主体としたクラシック・ムードに向き、しなやかな高域は魅力的である。ジャズのような極度なオン・マイク・セットによる音の解像力となると中域の締まりが不足し、音のやせた印象が出てくる。

ビクター BLA-304

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 オーケストラの内声部が引っこみ、やせた音になる。そのためかどうか、プレゼンスの再現も不充分で、オーケストラの雰囲気に空間感がない。これはステレオ再生では大変不利であり、また音楽のスペクトラムの中核である中域が引っ込むのはまったくまずい。ジャズではこれが致命傷といってよく、ジャズ音楽の本質が生きない。中域不足はバロックのアンサンブルなどでは一種クールで端正だが、ジャズには全く不向きという他ない。

ビクター BLA-E20

菅野沖彦

ステレオサウンド 10号(1969年3月発行)
特集・「スピーカーシステムブラインド試聴」より

 オーケストラのテュッティの再現ではややスケールが小さく、プレゼンスが不足する。しかし、ポピュラーものでの味つけは効果的で甘さとシャープさが巧みに交錯する。軽やかな中域が親しみやすいキャラクターを作っているのだろう。価格も二万円を切るようだし、このクオリティなら相応のものといえるのかもしれない。室内楽やクラシックのヴォーカルには当然のことかもしれないが質の緻密さの点でかなり物足りない。

ビクター SSL-89TS

ビクターのシステムコンポーネントSSL89TSの広告
(スイングジャーナル 1969年3月号掲載)

SSL89

ビクター TRD-2044

ビクターのオープンリールデッキTRD2044の広告
(スイングジャーナル 1969年2月号掲載)

TRD2044

ビクター TRD-2044

ビクターのオープンリールデッキTRD2044の広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

TRD2044

ビクター SSL-55TS

ビクターのシステムコンポーネントSSL55TSの広告
(スイングジャーナル 1969年1月号掲載)

SEA

ビクター MCA-104

ビクターのプリメインアンプMCA104の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)

MCA104

ビクター SSL-96TS

ビクターのシステムコンポーネントSSL96TSの広告
(スイングジャーナル 1968年11月号掲載)

SSL96

モジュラー・ステレオのすべて

菅野沖彦

スイングジャーナル 8月号(1968年7月発行)
「モジュラー・ステレオのすべて」より

 ステレオ装置はこりだしたらきりがない。入りこんだが最後、泥沼の世界だともいわれる。そして、このことはとりもなおさず、楽しく深い趣味の世界と、その醍醐味を暗示している。しかし、ここにもう一つ泥沼にめりこむことを好まないレコード愛好家にとって、便利で、高性能の本格的再生装置をという希望にかなったシステムがある。その名はモジュラー・ステレオ。小さな身体に秘めた底力、場所もとらないし、出費も10万円ていどで、ハイファイが楽しめるというわけだ。モジュラー・ステレオとはなにか? 現在店頭をにぎわしているこの新しいタイプのステレオ装置にスポットをあててみよう。
 このところメーカー製ステレオ装置の中でめだって多くなったのがモジュラー・タイプといわれる小型装置である。小型装置というと、17cmそこそこのターンテーブルにプラスティック製の短いアームのついた安価な装置と一緒にされる危険がある、が、これはそれとはちがう。アンプ、プレイヤー部を一つのキャビネットに収めてコンパクトにまとめてあって、しかも本格的なステレオ装置としての機能を犠牲にしてはいない。ターンテーブルの大きさも25cm以上、30cmのものが中心で、トーンアームはほとんどパイプアームの本格派、そしてムービング・マグネット・タイプのカートリッジ(もちろんダイヤ針)を備えている。クリスタルや半導体タイプも一部ある。
 アンプ部はFMマルチプレックス・チューナー付の総合アンプで、トランジスタライズドで小型になってはいるものの、パワーは片チャンネルで10ワット以上、中には30ワット+30ワットという大出カのものもある
 スピーカーは小型ボックスに16cmか20cmクラスのウーハー(低音用)を基礎に高音用トゥイーターを加えた2ウェイが圧倒的。
 これがモジュラー・タイプといわれる装置の特徴ということになるのだが、他のタイプとのはっきりした区別となると、決定的な条件が見つからない。ほぼ同じタイプのものの中にも、アンプとプレイヤー部を独立させたものがあるが、これはどうもモジュラーとは呼ばないらしいのである。
 もともとモジュラー・タイプというのは、これといった厳格な規格があるわけではなく、タイプという表現のようにきわめて大ざっばなスタイルの表現語にすぎないようだ。だからメーカーによってはモジュラーという言葉を使わず、ハイイコンパクトステレオとかブックシェルフ・ステレオそして、マイクロセバレート等々……その表現は各社各様である。

モジュラー・タイプの条件
 このようなわけで、モジュラー・タイプというのは技術的規格ではなく、デザイン上の問題として考えるべきであろう。そこで、一応、ここに扱うモジュラー・タイプの条件をあげると次のようになる。
①プレイヤーとアンプは一つのケースに組み込まれていること。
②ターンテーブルの直径が小さくても25cmあって、トーン・アームやカートリッジが3グラム以下の針圧で安定にトレースするようなものを備えていること。
③アンプは小型化に有利なトランジスタ式で、やや能率の低いスピーカーを駆動するのに十分なパワー(片チャンネル10ワット以上)のものであること。
④独立した1組のハイ・ファイ・スピーカー・システムを備えていること。
 ①の条件がモジュラーの最大条件であるが、この条件にはかなってももっと安価な、あまりにも普及型で性能の低いものもあるため②以下の条件を付加しておいた。もともとこのモジュラーという言葉は、単位、基準という意味の単語モジュラールをひねって作ったものだと思うからサイズや性能が同じようでもプレイヤーとアンプが一つにまとまっていないものはこの範ちゅうからはずれるわけだろう。
 さて、それでは、実際にこのモジュラー・タイプのステレオはどんな使用目的に適し、再生音はどうで、使い勝手はどうか、ということになるのだが、個々のメーカーの製品によってあまりにも差があって一概にはいえない。具体的にはそれぞれの製品の紹介にゆずるが、中でも共通していえることは、あまりうるさいことをいわなければ、現代人の生活のアクセサリーとしては実に手頃なもので、適度に、メカニカルな興味の対象としても満足させてくれる要素があるし、アクセサリーとしてもデザイン的にハンディにまとまっている。大がかりでとりとめのない化物のような再生装置とちがって、リヴィング・ルームの調和をくずさないし、「これから鳴ってやるから真正面に座って静聴すべし!」といった威嚇的なところがないのもいい。
 室内での置き方にもヴァラエティを作りやすいので、小さな部屋でもなんとか収めることもできるという利点はたしかにあるのだが、現実にかなり困ることが一つある。それは、プレイヤーとアンプの一体となった、装置の心臓部の奥行である。これは小さいもので37.4cm、大きいものでは50cmちかいものまである。これは本格的な大型ターンテーブルをそなえ、長いトーン・アームをつけさらにアンプが組込まれているところからくる必要寸法で、これを小さくしては本来の機能面で性能が低下する。そこで、実際に一般の家で幅はともかく、これだけの奥行をもった手頃な棚があるだろうか? 蓋を開けると後方へさらに5cmぐらい出るから棚の奥行は42〜55cmを必要とする。また、本体はフラットで背丈が低いから別に脚が用意されているものでなければ床へジカに置くわけにはいかない。そうかといって上蓋を開けてレコードを演奏するものだから高い整理ダンスなどの上に置いては使えない。机の上などが最適だが、大抵の机は、これを置いてしまうとスペースは残り少く机としての機能は死ぬ。このへんが実際の住宅事情にもう一つぴったりこないところのようで、買ったはいいが意外に置き場所に苦労するということになりかねない。前もってこのことを念頭に入れて置き場所をよく考えてから購入する必要がある。
 肝心の音は、良い装置、悪い装置がいろいろ入り乱れて店頭にあるから、よく聴いて判断しなければならない。大きさから想像する音よりはかなり良いのに驚ろかされるだろう。これがモジュラーの特長である。

各メーカーのモジュラー・ステレオ製品
●サンヨー
オットー1 DC-434カスタム 125,000円
オットー2 DC-534デラックス 84,900円
 サンヨーの意欲的製品で、モジュラーのブームをつくった代表製品といってよい。オットー1より2のほうがスピーカーも小さく、アンプも小型、価格も安い。しかし音のバランスは2が、スケールの大きな音では1のほうが上のようである。
●ナショナル
メカニシア1 SC-120 110,000円
メカニシア2 SC-130 85,000円
メカニシア3 SC-125R 120,000円
 ナショナルのモジュラーの3機種は、いずれも音のまとまりのいいもので、どちらかというと派手な音。
 2、1、3の順に価格が高くなる。メカニシア3は話題のソリッドステイト・カートリッジを採用している。回転速度自動切替方式というレコードをのせるだけで33と45の回転が変るというアイディア豊富な新機構もあるが、45RPM盤などの演奏にはかえって不便。キャビネット、メカの仕上など三機種ともに美しい
●ビクター MSL-8 88,500円
 初の半導体カートリッジ採用のモジュラー。大変聴きよい、快よい音で、音づくりのうまさはさすがである。デザイン、仕上もこのタイプ中最高のものだと思う。
●コロムビア CMS-100 129,800円
 モジュラーの高級品。大変ぜいたくな設計で、マニア向けの製品だといえる。しかし、ここまでくると、いっそ大型装置のほうに気が傾く。各部の仕様はプロ級である。
●シャープ
白馬 GS-5500 64,800円
白馬 デラックスGS-5600 84,500円
 GS-5500はモジュラーの中では普及型で、カートリッジがセラミック。それなりにうまくまとめられた音で、音楽を聴き流すのにはまったく不満がない。GS-5600はモジュラーとしては標準品。つまり本格派だ。軽いタッチの美しい音色はやや人工的に過ぎるのが惜しい。
●トリオ MT-35 81,00円
     MT-55 89,900円
 この二機種はスピーカー・システムが共通である。歯切れのよいシャープな音はやや刺戟的。しかしプレイヤー、アンプの本体は、さすがに専門メーカーらしい手馴れた仕上げでまとめられている。ホワイト・ブロンズ仕上の丈夫な脚が別売りされている。
●パイオニア C-600 104,900円
 デザイン、仕上が大変よく、もっともユニークな製品。プレイヤー部は優秀で信頼性が十分。ソフトな音はやや迫力に欠ける。音に厚味がたりないのが人によっては物足りないだろう。
●コーラル VS-3000 73,800円
 唯一のオートチェンジャーつきモジュラーで、音楽をBGM的に聴き流すのがねらいだろう。音はやや鈍重だが、それだけに難がない。耳障りな音ではないので楽しめる。

 以上寸評は、各社のショールームで製品をみた印象をメモしたのだが大きく分けて二つの行き方があるのが感じられた。一つは小型装置としての音づくりを意識的にまとめたもの、他はオーソドックスに各パーツの性能に頼って全体のまとめということを意識的にはしていない傾向の製品である。前者を一般的とすれば、後者はマニア向きということになるだろう。前者の代表としてサンヨー、ビクターの製品が特に印象に残ったし、後者に属するものではトリオ、パイオニアの製品がよかった。

ビクター SSL-51

ビクターのシステムコンポーネントSSL51の広告
(ステレオ 1967年9月号掲載)

Victor

ビクター PST-1000, MST-1000

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 MST1000に関しては、パネルフェイスの好みを別とすれば、世界第一級のパワーアンプだといっても誇張ではないだろう。尤も価格の方も国産最高で、JBLエナジャイザーあたりの輸入価格と同じでは、うっかり甘い点数も着けられないが、ともかく音質にもパワーキャラクターにもまず問題はない。しかしこのアンプにして、タンノイやアルテックが、マッキントッシュ275のような魅惑的な音では鳴らないというのは、やはりトランジスターのどうにもならない弱点なのだろうか。
 PST1000は、本格的なプログラムイコライザーがこの価格で買えると思うとお買徳品だが、じぇいびーえるのプリあたりとくらべると、弱小レベルで音の美しさをもう一段改善できたら素晴らしいプリアンプになると思った。

ビクター MCP-200, MCM-200

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 実は昨年の暮の、音楽之友社刊「ステレオのすべて」の中でも、このアンプを推賞したひとりとして、今回のアンプの結果には多少の心配を抱いていたが、こうして切換比較してみて、この音質が立派に第一級のものだと確認できたのはうれしかった。
 ただプリとメインをくらべると、価格の上から無条件に奨められるプリアンプの方で、MCM200の方はほんのわずかだが音がのびきらない感じがあるのは、出力があまり大きくないせいだろうか。
 MCP200の方は、たとえばマランツの7Tあたりと十分太刀打ち出来ると書くと読者は、眉にツバをつけるかもしれないが、片や16万円、片や3万円台という価格を考えると、機能の点、使いやすさ、SNの上では劣るとしても、音質そのものはここまでくればほんの紙一重のちがいだと思う。

ビクター MCA-102

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

四台の中では音質がいちばん素直で、特別大きな音量を望まなければ、トーンで低音を上げ気味にするとか、このアンプだけについているローブーストスイッチをONにすると、低音も最も良く延びて、楽器のファンダメンタルらしい音も結構再現してくれた。ただしヘッドフォン端子では、電源の誘導のようなジーというハムが、わずかだが気になった。

ビクター AST-140T

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 このアンプは弱音の表現がたいへん素晴らしかった。音の抜けがさわやかでみずみずしく音に何ともいえない温かさがあってしかもツヤっぽい。TRアンプとしてはスピーカーをあまり選ばない方で、どんなタイプのスピーカーをつないでもそれぞれの良いキャラクターを生かしてよく鳴らすアンプ、という感じであった。同じ5万円台の山水SAX600やトリオTW510とともに、アンプの音質としては最も素直で色付けの無いオーソドックスなゆきかたでこのクラスになると、最高水準のアンプとの音質の差はごくわずかなものだといえる。