ラックスのスピーカーシステム25C43、25C44、30C74、プリメインアンプSQ38F、SQ78、SQ301、SQ505、SQ606、チューナーWL313、WL515、アナログプレーヤーP22の広告
(スイングジャーナル 1968年12月号掲載)
Category Archives: スピーカー関係 - Page 120
ラックス 25C43, 25C44, 30C74, SQ38F, SQ78, SQ301, SQ505, SQ606, WL313, WL515, P-22
パイオニア CS-90
コーラル BETA-8, BETA-10
アルテック A7
コーラル BETA-10
菅野沖彦
スイングジャーナル 11月号(1968年10月発行)
「SJ選定新製品試聴記」より
コーラル音響といえば日本のオーディオ界では名門である。昔は福洋音響といって、スピーカー専門メーカーとしての信頼度は高かった。数々の名器はちょっと古いアマチュアならば記憶されているだろう。私自身、当時はずい分そのスピーカーのお世話になった。型番はもううろ覚えだが、たしかD650という61/2インチのスピーカーは大いに愛用した。810という8インチもあった。当時はインチでしか呼ばなかったが今でいう16センチ、20センチの全帯域スピーカーであった。トゥイーターもH1いうベスト・セラーがあった。福洋音響は当時のハイ・ファイ界のリーダーとして大いに気を吐いたメーカーだ。そして最近コーラル音響という社名に変更し住友系の強力な資本をバックに大きく雄飛しようという意気込みをもってステレオ綜合メーカーとしての姿勢を打ちだしてきている。
ところで、そのコーラル音響から新しく発売されたユニークなスピーカーがBETA10である。BETAシリーズとして8と10の2機種があるが、主力は10だ。まずユニットを一目見てその強烈なアマチュアイズムに溢れた容姿に目を見はる。白色のコーン紙。輝くデュフィーザー。レンガ色のフレーム。強力なマグネットは透明なプラスチック・カヴァーで被われている。これはマニアの気を惹かずにはおかないスタイリングで、キャラクターこそちがえ、例のグッドマンのAXIOM80のあのカッコよさに一脈通じるものを感じたのは私だけではあるまい。オーディオ製品のような人間の感覚の対象となるものについては、形も音のうちというものであり、この心理はマニアなら必らずといってよいほど持ち合わせている。形はどうでも音がよければという人もいるが、同時に、まったくその反対の人さえいる。コーラルがマニアの気質をよく心得て、細部にまで気をつかって、いかにも手にしたくなるようなスピーカーをつくったことは、今後のこの社の積極的な姿勢を感じさせるに充分で、事実、その後、かなり意欲的なデザインによるアンプも発売されている。
さて、BETA10の音はどうか。それを書く前に、スピーカーというもののあるべき姿にについて述べておかなければなるまい。音響機器中、スピーカーはもっとも定量的に動作状態をチェックしにくい変換器である。つまり、直接空気中に音を放射するものだけに、使われる空間の音響条件は決定的に影響をもたらす。装置半分、部屋半分ということがいわれるが、たしかに部屋が音におよぼす影響はきわめて大きい。これは録音の時のホールとマイクロフォンの関係に似ていて、電気工学と音響工学の接点であるだけにさまざまなファクターを内在しているわけだ。理論的な問題は別として、ある音源に対して最適なマイクロフォンを無数のマイクロフォンの中から選択して使っているというのが現状だが、これは、いかに問題が複雑で、理論や計算通りにいかないかを物語っているものであろう。マイクロフォンは使う人の感覚によって選ばれる。それに似たことがスピーカーにもいえる。スピーカーほど感覚的に選ばれる要素の強いものはない。それだけに選びそこなったら大変で、正しいバランスを逸脱することになる。BETA10こそは、まさにそうした危険性と大きな可能性を秘めたスピーカーであり、たとえてみれば暴れ馬である。その質はきわめて高く大きな可能性を秘めている。しかし、うっかり使うとたちまち蹴飛ばされる。使いこなしたらこれは大変魅力的なスピーカーだ。その点でも、これは完全に高級マニア向の製品で、これを使うには豊富な経験と知識、そしてよくなれた耳がいる。我と思わん方は挑戦する価値がある。こんなに生命感の強く漲ったタッチの鮮やかな音はそうざらにない。
オンキョー E-83A
岩崎千明
スイングジャーナル 10月号(1968年9月発行)
「SJ選定〈新製品〉試聴記」より
音楽の中で一番大切な音は、人間の声の範囲と同じ周波数範囲に含まれている。男の声で200サイクルから上、女の声で400サイクルから上3オクターブぐらいまでである。つまり男声の下限200サイクルから女声の上限2000サイクルぐらいまでですべての楽器の基音はここに含まれる。なぜこんなことを冒頭に述べかたというと、この辺の範囲の音が音楽再生上もっとも重要であるのだがそれを本当に認識しているようなスピーカーが、それほど多くはないという点にある。
最近高級スピーカー・システムはマルチ・スピーカーが常識である。スピーカーの数を増せばそれだけ良くなるとは限らないが、低音専用、高音専用とわけることにより、音の上限と下限は広がることは確かであるし、また低音の影響をかぶって高音が荒れることもなくなる。そしてもっとも大切なことは、ステレオ用として、指向性つまり音のひろがりはきわめて重要なファクターだが高音を小型の専用スピーカーに受けもたせることにより音の前面へのひろがりは必ず改善される。
しかし、ここで問題がある。〝低音用と高音用との境目をどこにおくか〟という点と〝低音用としてその設計の重点をどこにおくか〟というかねあいについてである。
低音用は文字通り低音用として設計し、今日では、中音をよく出そうとするよりも、いかに低音まで出し得るかという点を重視する結果、振動部コーンの重量を増す傾向にある。それが低音域をのばすもっとも容易な近道だからである。
そして、その結果、音量の変化の激しい、アタックの強いパルス音の多い中音再生能力は少々おろそかにされている。つまり市場にもっとも多い2ウェイ・スピーカー・システムでは高音用と低音用の境目クロスオーバーは2000〜3000サイクルにあり、2000サイクル以下の重要な中音はコーン紙の重い低音用で受け持つという問題をかかえている。激しいアタックのある変化に富んだあらゆる楽器の音を、重いコーン紙の低音用が正しく再生することが可能であろうか。できるだけ軽いコーン紙の方が毎秒1000回にも達するパルシブな音を再生するの適していることは一目瞭然であろう。
さて、大切な中音を独立させ、軽いコーンの専用スピーカーに受け持たせた3ウェイが最近クローズ・アップされているが、多くの場合、中音用としてコーン型が超高価格を除き一般的のようである。
さて、大阪音響の3ウェイ83Aを聞いたとき、このスピーカー・システムの中音の輝かしさとずばぬけた切れのよさにびっくりしたものだ。しかも、その音がホーン型中音用から出ていたのを、前面サランを除いて知ったとき改めて驚歎した。中音ホーンによくありがちな、ホーン臭い音が全然感じられないばかりか、そのみるからに小さいショート・ホーンからの音が700サイクルという低い所からごく高い範囲までカバーしていることを知らされて、もう一度驚いた。
考えてみればオンキョーはハイ・ファイ初期からのスピーカー専門メーカーだ。今までに何回となく画期的なスピーカーを作ってきたが、どういうものかマニアの注目をひくに至らなかった。しかし、この中音用には、オンキョーの永く積み重ねられた技術の裏付けがあったのだ。
そしてこの中音ホーンこそオンキョーのハイ・ファイ・スピーカー界における立場を確固たるものにするに違いないと感じた。83Aシステムの成功が、これをひとつ実現したことになる。30センチ低音用と広指向性のスーパー・ツィーターの3ウェイで価格が5万円に満たないことを知ってまた驚いたのである。























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