マイクロのアナログプレーヤーMR211の広告
(スイングジャーナル 1971年3月号掲載)
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マイクロ MR-211
テクニクス SL-40
パイオニア PL-25D
フィデリティ・リサーチ FR-5, FR-5E
エレクトロ・アクースティック Miracord 50H
マイクロ MR-411
オーディオテクニカ AT-VM35
シュバイツアー Record Cleaner
デュアル 1219
岩崎千明
スイングジャーナル 2月号(1971年1月発行)
「supreme equipment 世界の名器を探る」より
コンポーネント・ステレオが、セパレートに代って高級ステレオの代名詞となってきつつあるこの頃、レコード・プレイヤーの地位がますます高まっている。「音の入口には、できるだけ高級品を選ぶ」というのが、コンポーネント・ステレオのひとつの条件とさえなっているのはご存知の通り。
音の品位を入口において損こなってはいくらよいアンプでも、スピーカーでも音を良くすることはできないし、レコードの寿命という点についてもレコード・プレイヤーの良否が決定してしまう。そこで高級レコード・プレイヤーとしてはオートチェンジャーは永い間敬遠されてきた。
しかし、このデュアルの高品質チェンジャーが、この迷信をくつがえした。
ステレオの台頭とともに軽針圧カートリッジが出現して以来、その2グラム前後という軽い針圧では、英国製のチェンジャーはどうも満足な動作を必らずしも完了してはくれず、チェンジャーに対する信頼が極端に低くなってしまったのである。そのため米国オーディオ界ではステレオの興隆とともにAR社のプレイヤーがそれまで普及していたオートチェンジャーにとって代って普及しつつあった。
この米国内のプレイヤーの異変ともいえるチェンジャーの没落を一気に盛り返し、再びオートチェンジャーの主導権をヨーロッパにもたらしたのがこの西独デュアルの前製品1019であり、1012であった。このデュアルの傑作、1219は、70年代になってさらにメカ部を一歩前進させて、アンチスケーティング機構(インサイド・フォース・キャンセラー)と、連続演奏時にも針先とレコード面の角度ヴァーチカル・アングルが正しくセットされるようモード・セレクターがついて一枚演奏と連続演奏を切換えるように工夫された。また外観上も、アームはさらに細くいかにも軽針圧用としてデサインされ、アーム支持部もジャイロが大型になってより精度を高めたことも特筆できる。
このデュアルのチェンジャーの最大のメリットは、針圧がスプリングによるいわゆるダイナミック・バランス型といわれている機構である点である。量産上バラツキの点で軽針圧ではむづかしいといわれるダイナミック・バランス式はオルトフォンの大型アームなどプロ用に僅か使われているにすぎないメカニカルであり、これはそったり偏心したレコードの軽針圧トレースが完全にできる利点がある。また一見なんの変哲もないこのアームは、あらゆる点でプロ用アーム並みの高性能機構と性能をそなえている点が注目すべきだ。
ターンテーブルも3・1kgというヘヴィーウエイトのもので、完全ダイナミック・バランス調整されている高級品だ。
このデュアルのプレイヤーに代表される小型ながらメカニカルで充実した内容のズッシリと重い機構は、大型でぎょうぎょうしいプレイヤーにみなれた眼からはなにか物足りないくらいだがいかにもドイツ製品にふさわしい。このデザインの原型はプロ用ノイマンのプレイヤーにオリジナルがみられることを付言しておこう。
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