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エリプソン 1303X

瀬川冬樹

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 これはとても特徴のある音。個性的ともいえるし、こういう音を受けつけない人なら、クセが強いというだろう。この価格、そしてこの価格帯での内外の優秀製品の水準からくらべると、伸び伸びしたところが少なく、音が小造りでスケール感が出にくい。しかし、これ一台を、設置場所や設置法をよく選び、組合せを選び、音の聴きどころのピントが合ってくると、この独特の音の世界にはふしぎな魅力をおぼえはじめる。ずっと以前、同じフランスのキャバス(ブリガンタン)で、フランス近代音楽やシャンソンがふしぎにうまく鳴ったことを思い出して、その系統のレコードを専ら鳴らしてみた。たしかにうまくゆく。バルバラの唱うシャンソン、エラートの録音。ラヴェルの管弦楽……。背面を壁に寄せ、アンプやカートリッジで中〜低音域の量感をできるだけ補うようにして鳴らすと、別にフランス音楽にこだわらずとも、クラシック、ポップス、それぞれに魅力ある香りで楽しめてくる。妙なスピーカーだ。

総合採点:8

●9項目採点表
音域の広さ:8
バランス:8
質感:7
スケール感:7
ステレオエフェクト:8
耐入力・ダイナミックレンジ:6
音の魅力度:8
組合せ:かなり選ぶ
設置・調整:やや特殊要工夫

トリオ LS-202

黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 音像が大きめになる傾向がある。そのことと無関係とは思えないが、低い方の音には多少の誇張感があり、高い方の音のひびき方とのバランスからいっても、ふくらみすぎる。それに音色も、暗めだ。そのために、❶のレコードできけるような、鋭いリズムに支えられた多彩なサウンドの入りまじった音楽への対応は、このスピーカーとしては、はなはだ不得手ということになる。基本的には、個々の音のエネルギーの提示ということでいたらない点があるからと思う。うけとり方によっては、このランクのスピーカーとしては、いくぶん背のびしているというか、帯域の拡大をはかったためといえなくもないようだ。使い手が、周辺機材の選択に充分な配慮をしてはじめて、このスピーカーなりのよさが発揮できるのだろうが、今回の限られた時間内の試聴ではそこまでさぐりだすことができなかった。

総合採点:6

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(物足りない)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(物足りない)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(物足りない)

デンオン SC-304

黒田恭一

ステレオサウンド 54号(1980年3月発行)
特集・「いまいちばんいいスピーカーを選ぶ・最新の45機種テスト」より

 音像の力感を示すとか、低い方のひびきのゆたかさを示すとかいった点では、かならずしも十全とはいいがたい。ただ、このスピーカーのきかせる音には、あかるさとさわやかさがあり、ききてをたのしい気分にさせる。それにもうひとついい忘れてはならないのは、個々の音への反応の敏感さだ。それがあるために、このスピーカーの音をきいて、ききては、軽快さを感じるのだろう。むろん、オーケストラのフォルテによる総奏の迫力を充分に示すとはいいがたい。本当の力強さ、あるいはスケール感を示すことはできない。そうしたことをこのランクのスピーカーに望んだら、多分、望んだ方が欲ばりすぎということになるだろう。だが、たとえば❸のレコードでの、アグネス・バルツァの強く鋭くはりのある声のシャープな提示などは、なかなかこのましい。つかいやすいスピーカーといえるかもしれない。

総合採点:8

試聴レコードとの対応
❶HERB ALPERT/RISE
(好ましい)
❷「グルダ・ワークス」より「ゴロヴィンの森の物語」
(ほどほど)
❸ヴェルディ/オペラ「ドン・カルロ」
 カラヤン指揮ベルリン・フィル、バルツァ、フレーニ他
(好ましい)

パイオニア M-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作で、しかもNFBを使用しない無帰還型のモノ構成パワーアンプ。リニアリティは、増幅部の非直線性と逆特性の非直線性で吸収する手法で解決。ガラスケース入り電解コンデンサーなど部品選択は十全である。

アキュフェーズ C-230

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

デジタル表示チューナーT103、パワーアンプピ260とコンビとなるコントロールアンプ。オリジナル全増幅段対称型プッシュプル駆動、A級DC方式に新しくDCサーボ方式が導入された。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式採用。純A級に切替使用可能。

パイオニア C-Z1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

タテ長のユニークなプロポーションで゛NFBを使用しないアンプとしては世界初のコントロールアンプ。イコライザーは無帰還型の特長を活かした独得な一種のCR型。素直で反応が早く、伸びやかな音は非常に魅力。

アキュフェーズ P-400

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナーT104、コントロールアンプC240とラインナップを組む製品。パワーMOS型FET、全増幅段対称型プッシュプル駆動、DCサーボ方式。純A級に切替使用可能。

デンオン POA-3000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

純A級動作をベースに独得なバイアス方式を採用して高能率A級動作とした設計は、国内製品として唯一のものだ。余裕あるパワーを土台として、ゆとりがあり、力強い音をスムーズに聴かせる製品。

デンオン PRA-2000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

別系統のサーボ専用アンプをもたないダイレクトDCサーボ回路を全増幅弾に採用。2段のリニアアンプ段間にCR素子を入れたイコライザーとフラットアンプの単純構成。MCヘッドアンプ内蔵。

テクニクス SE-A3

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ニュークラスA方式を採用したパワーアンプの第1弾製品。高速パワートランジスターと電源部をユニット化したコンセントレーテッドパワーブロック採用に代表される独自の最高の技術を導入。

テクニクス SU-A4

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

考えられる機能をフル装備のA2を基本に機能を標準型としたシンプルな新製品。特長はプリアウトの超ローインピーダンス化で、信号ケーブルの影響が軽減され正確な伝送と強力な駆動力を持つ。

Lo-D HMA-9500MKII

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

定評の高いパワーMOS型FET採用に新A級動作を加えた。

マランツ Ma-5

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

マランツ最初のモノーラル構成のパワーアンプである。タテ長の外形寸法は、かつてのモデル15/16が2台のパワーアンプを機械的に結合していた歴史を物語るようだ。

ビクター M-7050

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

スイッチング歪みとクロスオーバー歪みを解消する目的で、パワー段の可変バイアス方式とドライバー段の改善を含めたスーパーAクラス増幅方式採用のパワーアンプの第1弾製品。

QUAD 44

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

22、33以来のQUADのコントロールアンプの伝統を継承したコンパクトで多機能を備えたユニークな新製品。新採用のプラグインカード方式が特長で、業務用機器的な多角的な使用法ができる。

オンキョー Integra M-506

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

P306とペアとなるパワーアンプである。従来のスーパーサーボ方式に加えて、出力端のアース側にもサーボをかけるダブルスーパーサーボ方式の採用が特長。

ソニー RT-9

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

メタル対応フルロジック操作のデジタルタイマー付デッキにプリメインアンプを組込み、上部にシンセサイザーチューナーを乗せた異色の製品。新時代のコントロールセンターとしての魅力は絶大。

ビクター R-5000

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

シンセサイザーチューナー付レシーバーに、メタル対応フルロジック操作のデッキをビルトインした非常に魅力的な新世代の到来を感じさせる製品。薄型デザインと10万円を割る価格も見逃せない。

オンキョー TX-55

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

オンキョーが提唱するFMコンポーネントの中心をなす製品。薄型で調整機構をカンガルーポケットに収納し、簡素化したパネルはデザイン的にも機能的にも優れ、音のある暮しへの展開が可能。

パイオニア SX-2020

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

ミニサイズコンポーネントの本来の魅力である小型、多機能、高性能を薄型デザインにまとめた開発時期の早さはさすがにパイオニアらしい。小出力ながら通常電源採用で粘り強いパワー感十分な音だ。

マッキントッシュ MA6200

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

つねにプリメインアンプを1機種もつというマッキントッシュの伝統に従った製品。C32で最初に導入されたような5分割型トーンイコライザー、独特の電流感応自動電源スイッチ内蔵など多機能で音の魅力も充分。

ケンウッド L-01A

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

鉄板などの磁性体による磁気歪の影響を徹底的に排除する目的で非金属製筐体の本体と独立した電源部というセパレート方式を採用した製品。従来より粒子が一段と細かく、整然と高品位な音が特長。

ヤマハ A-9

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

アンプブロックと電源の相関性を新技術により断絶し、給電系をも含むさまざまな音質的難問を解決した、ピュアカレントサーボ方式のプリアンプ部と新リニアトランスファーバイアス方式のパワーアンプ部が特長の高級機。

サンスイ AU-X1

井上卓也

コンポーネントステレオの世界──1980(ステレオサウンド別冊 1979年12月21日発行)
「’80特選コンポーネント・ショーウインドー」より

強力なパワーアンプにプリアンプを組み込んだエキスペリメンタルな性格が強い製品。パワー直接入力は2虎38ファンに大変に魅力。