TDKのカセットテープSA-Xの広告
(モダン・ジャズ読本 ’80掲載)
Category Archives: 国内ブランド - Page 51
TDK SA-X
オットー SX-P2
アキュフェーズ C-240, P-400
ヤマハ NS-590, NS-890
オーディオテクニカ AT150E/G
Lo-D HS-230, HS-430, HS-630
ビクター Zero-7, Zero-5
ソニー AHF, BHF, CHF
オンキョー Integra T-419, Integra T-417, Integra T-410 DG, Integra T-406
トリオ KA-8300, KT-8300
オンキョー Integra A-810, Integra A-808, Integra A-805
マイクロ BL-71, CU-180
コーラル X-VII
ティアック PA-7, MA-7
パイオニア Exclusive Model 2301, Exclusive Model 3401W, Exclusive C3a, Exclusive C10, Exclusive M4a, Exclusive M10, Exclusive F3, Exclusive P3, Exclusive P10
アントレー ET-200
デンオン DX3, DX5, DX7
ジュエルトーン DC-203J, No105J, QR-202J, CT-405J, CW-402J
ダイヤトーン 2S-305(組合せ)
瀬川冬樹
続コンポーネントステレオのすすめ(ステレオサウンド別冊・1979年秋発行)
「第20項・ダイヤトーン2S305 栄光の超ロングセラー」より
アルテックの604シリーズ(17項UREI参照)というスピーカーが、アメリカを代表するかつてのモニタースピーカーだったとすれば、日本で、NHKをはじめ各放送局や録音スタジオ等、プロフェッショナルの現場で、いまでも主力のモニターとして活躍しているのが、三菱電機・ダイヤトーン2S305だ。このスピーカーの古いことといったら、何と昭和三十一年に最初の形が作られて以来、ほとんどそのまま、こんにちまでの約二十年以上、第一線で働きつづけているという、日本はおろか世界で珍しい超ロングセラーの長寿命スピーカーなのだ。ただし、放送規格(BTS)での型番はBTS・R305。またNHK収めの型番をAS3001という。数年前からNHKでは、改良型のAS3002のほうに切替えられているが、一般用としての2S305は最初の形のまま、しかも相変らず需要に応えて作り続けられている。モデルチェンジの激しい日本のオーディオ界で、これは全く驚異的なできごとだ。
2S305は、スタジオでのモニター仕様のため、原則として、数十センチの高さの頑丈なスタンドに載せるのが最適特性を得る方法だと指定されている。が、個人の家で、床に直接置いて良い音を聴いている例も知っている。部屋の特性に応じて、原則や定石にこだわらずに、大胆に置き方を変えて試聴してきめるのが最適だ。そしてもちろんこの方法は、ダイヤトーンに限らずあらゆるスピーカーに試みるべきだ。スピーカーの置き方ばかりは、実際その部屋に収めて聴いてみるなり測定してみるなりしないうちは、全く何ともいえない。原則と正反対の置き方をしたほうが音が良いということは、スピーカーに関するかぎり稀ではない。
※
ところで2S305は、さすがに開発年代の古い製品であるだけに、こんにちの耳で聴くと、高域の伸びは必ずしも十分とはいえないし、中音域に、たとえばピアノの打鍵音など、ことさらにコンコンという感じの強調される印象もあって、最近のモニタースピーカーのような、鮮鋭かつ繊細、そしてダイナミックな音は期待しにくい。けれど、総合的なまとまりのよさ、そして、音のスケール感、いろいろの点で、その後のダイヤトーンのスピーカーの中に、部分的にはこれを凌駕しても総合的なまとまりや魅力という点で、2S305を明らかに超えた製品が、私には拾い出しにくい。いまだに2S305というのは、そういう意味もある。
スピーカーとはおもしろいもので、基本があまり変化していないものだから、古いと思っていたスピーカーでも、新しいアンプや新しいレコードで鳴らしてみると、意外に新しい音が出てびっくりすることもある。そういう見地から組合せを考えてみると、できるかぎり新しいパーツ類、しかも、かなりグレイドの高いパーツでまとめるのが、結局最良のように思う。またこれはマニア向けのヒントだが、ここにパイオニアのリポンやテクニクスのリーフのような、スーパートゥイーターを加えると、2S305は、またかなりフレッシュな音を聴かせる。
スピーカーシステム:ダイヤトーン 2S-305 ¥250,000×2
プリメインアンプ:マランツ Pm-8 ¥250,000
チューナー:マランツ St-8 ¥135,000
プレーヤーシステム:ダイヤトーン DP-EC1MKII ¥128.000
カートリッジ:デンオン DL-103D ¥35,000
計¥1,048,000
テクニクス SB-8000
瀬川冬樹
続コンポーネントステレオのすすめ(ステレオサウンド別冊・1979年秋発行)
「第19項・リニアフェイズを流行らせた元祖 テクニクスの最新型SB8000」より
日本を代表するスピーカー、というと、ヤマハNS1000Mと並んでもうひとつ、テクニクスのSB7000、通称テクニクス・セブンをあげなくてはならないだろう。まるで雛壇のように並んだ独特のスピーカーユニットの配列は、テクニクスの主張するリニアフェイズの理論によって、低・中・高の三つに分れた音源の位相(この用語の意味は、ここでは説明しない)を、いかによく揃えるか、という観点から生まれた形である。この考え方自体は決してテクニクスだけの独創ではないにしても、スピーカーの位相を明確に解明し、具体的な製品で示したのはごく早い時期であり、その後、前述のKEF105など、ヨーロッパ各国のスピーカーにもこの考えにもとづいた製品が各種出現している。
SB7000は、これまでのブックシェルフとかフロアータイプという分類にはちょっと入りきらない独特の形で、またその音質を生かすためにも、多くの場合、リスニングルームの床上に直接置いたのでは、低音がこもったり過剰になったりしてぐあいがよくない。部屋の音響特性によってケースバイケースだが、十数センチないし四十センチ以上までの、頑丈な台に乗せて、聴いてみて最もバランスの良い高さを選ぶ必要がある。背面や側面も周囲の壁から適度に(五十センチ以上)離し、周囲に何も置かず広くあける必要がある点は、前述のヤマハや、すでに出たスペンドールやKEFその他、この種のアキュレイトサウンド系のスピーカーに共通の注意事項だ。
ところで、ごく最近発表されたこの上のクラスのSB8000は、7000にくらべて音がはるかに緻密でしかもみずみずしい。価格の差以上に音のグレイドは向上している。低音が引締まっているので、7000ほど高い台を必要とせず、部屋の音響特性によっては何も台に乗せずにそのまま床の上に置いても大丈夫だ。元祖という点ではSB7000だが、その完成度という点ではむしろSB8000のほうが(もちろん、この間に5年以上の歳月が流れているのだから当然とはいえ)格段に優れていると思う。したがって、これから購入するのであればSB8000のほうがおすすめできる。
ヤマハにもテクニクスにも共通にいえることは、概して国産のスピーカーは、音の味つけを極度に嫌うために、その組合せも、アンプやカートリッジに、できるだけ音の素直で、むしろ味の薄い製品を持ってこないとむずかしい。
アンプには、同じテクニクスの、ごく新しいプリメイン、V10をあげよう。とくにこのパワーアンプ部は、ニュークラスAと称する新しい回路で、とても透明感のある美しい音質だ。チューナー、プレーヤー、カートリッジとも、同じテクニクスで揃える。
さて、ここから先はかなりオーディオマニア向けの話だが、プリメインアンプV10は、パワーアンプ部分の性能が非常に良いので、これを流用して、プリアンプだけ単体のもっとグレイドの高いものを追加すると、さらにいっそう音のグレイドが上がる。たとえばオンキョーP307、ヤマハC2a、アキュフェーズC230などがその一例。
スピーカーシステム:テクニクス SB-8000 ¥150,000×2
プリメインアンプ:テクニクス SU-V10 ¥198,000
チューナー:テクニクス ST-8077T ¥45,800
プレーヤーシステム:テクニクス SL-1400MK2 ¥95.000
カートリッジ:テクニクス 100C MK2 ¥65,000
計¥703,800
アキュフェーズ C-240, P-400
菅野沖彦
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
特集・「いま話題のアンプから何を選ぶか 最新セパレートアンプ32機種のテストリポート」より
キメの細かいスムースな音は、きわめて洗練された品位の高いものだ。暖かい肌ざわりをもっているし艶のある、粘りのある音は、美音といってよい次元にまで高められている。しかし、反面、素直さ、自然さの面で少々不満がある。荒さは荒さとして聴きたい。
ビクター A-X9
瀬川冬樹
ステレオサウンド 52号(1979年9月発行)
「JBL♯4343研究(2)」より
ここで価格ランクが一段変わる。このビクターと後のラックスが15万円クラスの代表ということになる。
A−X9は新しい回路構成を採用し、外観のデザインも一新したビクター久々のニューラインの最高機種だ。このアンプは、わたくしのリスニングルームでの試聴では、かなり個性的な音を聴かせた。もちろんいままでに聴いたマランツ、アキュフェーズ、トリオ、それぞれに個性を持っているのだが、その中にまぜても、ビクターは一種独得な音だと思わせる個性をもっている。具体的には、同じレコードでも音の表情、あるいは身振りをやや大きく表現する。別な一面として、鳴ってくる音に一種独得な附帯音──この表現はとても微妙でうまく言い表せないのだが──というか、プラス・アルファがついてくる印象がある。「魔法使いの弟子」で、フォルティシモの後一瞬静かになってピアニシモでコントラファゴットが鳴り始める部分、このレコード自体にホールトーンあるいはエコーが少し録音されているのだが、そのエコー成分が他のアンプよりはっきりと意識させられる。このアンプには、エコーのような、楽音に対するかくれた音を際立たせる特徴があるのかもしれない。「ザ・ダイアログ」でも、シンバル、スネアー、ベース……多彩な音が鳴った時、それらがリアルに目の前で演奏されているというより、少し遠のいた響きのあるステージで演奏されているかのように再現される。ことばにするとオーバーなようだが、これは他のアンプでもいえることで、本当に微妙なニュアンスの問題だが、それにしてもわたくしには、独得な雰囲気感がつけ加わっている不思議な音、と受けとれた。あるいはこういう音は、極端にデッドなリスニングルームで聴くと、評価が高くなるのかもしれない。





















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