Category Archives: コントロールアンプ - Page 9

マランツ Sc-6

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 マランツのイメージを引継ぎながら、現代的にリファインしていくという難しい仕事に、真正面から取り組み健闘している現代マランツ製品で、そのスタッフの努力は多とするに足ると思う。このSc6も、誰が見てもマランツだと一目でわかるアイデンティティが好ましい。フルファンクションと、まずまずのクォリティをもっていて、この値段というのは、総合的に、かなり高く評価したいところである。

音質の絶対評価:7.5

スレッショルド SL10

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 内容は別稿の通りで私はあまり好まないアンプだが、回路技術、デザインについては高く評価したい力作である。コンストラクション、仕上げの緻密さ、センスのよさ、オリジナリティの点などでも立派な製品であると思う。パネル、ツマミの仕上げ、形状のユニークさ、そして、その美しさは特筆すべきものだと思う。ただ、この音の質感・感触は、どうしても私の感覚にぴったりこないのが残念である。

音質の絶対評価:7

タンベルグ 3002

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ノルウェイのタンベルグは、テープデッキ・メーカーとして実績をもつメーカーで、製品の品位は高い。しかし、かといって、決して超マニアックな高級品というのではなく、ヨーロッパ・メーカーらしいセンスで、すっきり美しくまとめられたプリアンプである。現代的なやや冷たい感触をもった製品で、重厚感には欠ける。仕上げは大変美しくきちんとしている。ペアのパワーアンプ3003ほど魅力はないが……。

音質の絶対評価:7

JBL SG620

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 中味については別稿で詳しい通り、優れたプリアンプである。しかし、かつの銘器SG520を想い出さずとも、この製品はJBLらしからぬ不出来なデザインだと思う。ゴムのつまみを使うなど、こってはいるが、決して美しくはないし、プレシジョンなイメージがない。むしろ、汚らしいという感じさえある。デザイン感覚だけではなく、作りの質の低下は往年に比して著しいものがあり、日本製への対抗力が疑わしい。

音質の絶対評価:9

ラックス C-5000A

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ラックスのプレスティジ・コントロールアンプらしく、さすがに、重厚な雰囲気を感じさせる仕上りだ。伝統的なラックスのパネルデザイン、デュオベータ回路採用の高品位なパーツによる高級機らしい風格を備えている。コントロールセンターとしての機能も完備しているし、各コントローラーの操作性、フィーリングも高い。MCカートリッジ入力端子は、昇圧トランス式というのもマニアライクなユニークさだ。

音質の絶対評価:7.5

ハーマンカードン P725

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 作りのうまさで、小器用にまとめられてはいるが、これならプリメイン・アンプでよい。独立型のプリアンプをこういう形で作って売るというのは、ただスタイルだけをセパレートアンプにしたいというマニアの誤った考え方に迎合するもので、私は否定的だ。ファッショナブル・プリアンプとでもいうべきものだろう。しかし、出来は優れていて、この価格でよくこれだけのものをまとめあげたと思う。

音質の絶対評価:6

ラックス C-300

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 オーソドックスながら、新鮮味も持っているコントロールアンプ。内容と外観が、ともにそうしたイメージで統一されている。デュオベータ、プラスX回路採用の現代的なプリアンプであるが、その発想そのものは、きわめてオーソドックスな歪みの低減思想である。ただ、このクラスのプリアンプとなると、もう一つ、個性的魅力が伴わないと、単体プリアンプとしての風格の点で物足りないということになる。

音質の絶対評価:6.5

ラックス CL34

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 管球式のコントロールアンプだが、外観からはそれと判明する雰囲気はない。デザインとしては特に木枠が野暮で、色も含めて、およそ美しさが感じられない。天板の部分を高くするなど、手間をかけて、かえって悪くしたという気もする。デュオベータ回路を管球式に使った新設計のアンプで、パネル操作類もよく整理されながら、コントロール機能を備え、感触も快い。フラットなプロポーションをもっと生かしてほしかった。

音質の絶対評価:6

ハフラー DH-101

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ハフラーのアンプは、考え方が根本的に違う。この考え方なら、しいてセパレートアンプを作らずに、プリメインアンプとして合理的に、すっきりまとめるべきだと思う。必要なことはこれだけだといわんばかりに、簡素につき離すように感じられ、使いたいという意欲が湧かないのである。見た目にも決して美しい製品ではないし、趣味性や情熱が感じられない。これでは、日本メーカーにつぶされても文句はいえまい。

音質の絶対評価:6

QUAD 44

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 33と303のコンビの新しい上級機として用意されたのが、44と405の組合せである。コンセプトは一貫しており、決して、大げさなメカメカしさを感じさせない、洒落たセンスに溢れている。オプションとしてMCカートリッジ用入力モジュールなども用意されている。こういう行き方の製品は日本には絶対にないし、また、出来ても育たないだろう。B&O製品ともども、世界のオーディオ界の貴重な存在だ。

音質の絶対評価:7

QUAD 33

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 独特なオーディオコンセプトをもつクォードの個性的な製品だ。オーディオを主役とせず、音楽を楽しむための道具として目立たず、美しくという考え方がよく出ている。見方によっては、少々おもちゃっぽいところもなくはないし、メカマニアには全くアピールしないものかもしれないが、センスとしては高く買いたい。コントロール類の使い勝手も、クォードらしい気軽さとシステマティックな考え方で統一されている。

音質の絶対評価:5.5

アンプリトン PR50

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 フランス製のアンプというと、かなり前衛的なデザインかと思いきや、これはまた何の変哲もないアマチュア製の機能本位の作りの域を出ない。管球式なら、それなりのクラシックな風格をもったものであれば、また別の魅力も感じられるものを……。ごくドライなラックマウント・サイズのパネルに電源スイッチとツマミが3個。表示も英語で、フランスらしきものは何もない。夢と憧れをさがしても見当らない素気なさであった。

音質の絶対評価:7.5 

Lo-D HCA-8000

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 単体プリアンプとして、普及価格の製品だが、同社としてはプリメインアンプをラインアップしているのだから、あえて存在の必然性がうたがわしいと思う。外からみても、音を聴いても、これならプリメインアンプと違うのはスタイルだけという印象が強い。つまり、高級感や魅力は発見しにくいということで、総合評価としても苦しい。ユニークなデザインと使い勝手のオリジナリティでもあれば別だが……。

音質の絶対評価:5

アムクロン SL1

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 公称データはやたらによいプリアンプで、歪率は、ハーモニックス、IMともに通常の1桁2桁下だ。しかし、音はその通り桁違いによいとは感じられない。機能的には、業務用として設計されているので、一般には使いよい製品とはいえないし、デザインや作り、仕上げも決して魅力や味わいのあるものではない。これこそ、ラックマウントで使うべきもので、音楽鑑賞用としては少々冷たく、荒っぽいといわざるを得ない。

音質の絶対評価:7

ケンウッド L-08C

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 すっきりと現代的なデザインにまとめられているし、設計思想も斬新で、いかにもデザイナーの仕事らしい仕事ではある。しかし、滲み出るような質感の高さや、緻密な仕上げの高級感といったものがなく、どこか、モダンな感覚が、その裏腹にもっている安っぽさや殺風景な面のほうが強く感じられ、私個人としては魅力を感じない。操作性も少々気取り過ぎていて、かえって扱いにくい面もあり、フィーリングに重厚さはない。

音質の絶対評価:5

プレシジョン・フィデリティ C-7a

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 実際に、この値段を出して買うモノとして、この程度の作り、仕上げでよいものなのだろうか? こう感じさせる製品が海外製には多すぎる。いくら特性が優れていても、音がよくても、これではそれらのよさも生きてこない。人間の感覚はトータルなものだからである。このアンプだけことではないし、もっとひどいものもある。輸入するにあたって考えるべき問題だと思う。技術者の自分用のアンプといった域に止る製品。

音質の絶対評価:7.5

パイオニア Exclusive C3a

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 今やクラシックといってもよい、オーソドックスな操作レイアウトをもったコントローラーで、その仕上げは緻密である。パーツ類も厳選され、細部まで丹念に作られた高級品らしい風格をもっている。ただ、製品として強い個性的魅力に乏しく、やや凡庸な印象が、このアンプの存在を内容に比して地味なものにしてきたようだ。オリジナル設計の古さは否定できないが、リファインされたa型は現役として立派に存在理由をもつ。

音質の絶対評価:8

アキュフェーズ C-240

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 ボリュウムとバランス・コントロールだけが回転式で、あとはすべて、プッシュ式という新鮮なアイデアで登場した高級プリアンプ。C230という弟分でもこのデザインを踏襲していることからみても、アキュフェーズのプリアンプの代表的な顔として、今後もこのマスクが続くだろう。コンピューター・エイジにはふさわしいとはいえるだろうが、それだけに、反面、音楽表現に連る心情性は希薄な印象。しかし中味は凄い。

音質の絶対評価:8.5

AGI Model 511

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 いかにもアメリカのプリアンプらしい、マランツの伝統を踏襲したものだ。より簡略化し、フォノ1系統、ラインレベル入力4系統をプッシュボタンでまとめ、これとシンメトリックに配したダビング機能、モードセレクターのプッシュスイッチ類、大型のマランツ・ツマミの音量とバランスの2個を左右に配したデザインは秀逸。トーンコントロール類は一切ない。いいかえれば青臭いマニアライクな製品ともいえる。

音質の絶対評価:7

ヤマハ C-2a

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 仕上げも作りも立派な緻密な製品で、ブラックフィニッシュながら、スマートな印象を受ける。デリカシーのあるアンプ。MCヘッドアンプ内蔵DCアンプ構成の先進的なプリアンプだが、外観にも音にも気張ったところがなく、大人の雰囲気をもっている。こういう製品はロングライフになり得るだろう。コントロール類も使いやすく、感触も洗練されている。地味だが落ち着いた風格を感じさせる次元の高い完成度をもっている。

音質の絶対評価:8

ヤマハ C-6

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 A級ピュアカレント・サーボアンプ方式を採用したヤマハの新しいコンセプトによる製品で、デザインも、それなりに若返ったイメージである。豊富なファンクションをもったフル機能のコントローラーとしてユティテリティは大きい。全体にブラック仕上げは美しいが、品位と格調はそれほど高くない。価格からしても、独立型プリアンプの普及型であり、その限りにおいてはよく出来ている製品だ。

音質の絶対評価:6.5

テクニクス Technics A2 (SU-A2)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 超弩級のプリアンプである。一目見ただけでは、とても理解し切れないコントローラーが所狭しと並んでいる。ここまで出来るぞという姿勢の表現だから、こうなるのも仕方なかろう。それにしても凄いプリアンプを作ったものだ。値段も重量(38kg強)も世界有数のプリアンプである。こうなると批評の埒外で、ただ圧倒されるのみ。一度のみこんで整理してみると意外に使いやすいのだが、使いこなすチャンスは滅多にない。

音質絶対評価:7.5

テクニクス Technics A4 (SU-A4)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 一目でポジションがよくわかるという理由は理解できなくないのだが、この縦長のツマミには抵抗を感じてしまう。使いやすさでは文句ないが、バラバラと互いにそっぽを向いている様は美しくない。サブパネルを閉じれば、すっきりと必要なものだけがメインパネルにあるという合理性に、音楽機器としての情緒性もブレンドしてほしいところ。パネルとツマミの色のバランスも成功しているとはいえない。貫禄が不足だ。

音質の絶対評価:7

テクニクス Technics A6 (SU-A6)

菅野沖彦

’81世界の最新セパレートアンプ総テスト(ステレオサウンド特別増刊・1981年夏発行)
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」より

 すっきり、さっぱりといえばよい表現になる。どうも、こういう厚みや暖かさにかける機械は個人的には好きになれないのである。プリアンプというものは、レコード音楽の演奏にあたって、プレーヤーとともに直接、手で操作する機会の多いものだけに、もっと夢のある、楽しさを感じさせてくれるものであって欲しいのだ。こういう生硬なフィーリングは音楽をプレイする心情とはうらはらなのである。悪趣味よりはずっとよいが……。

音質の絶対評価:8

マッキントッシュ C32

菅野沖彦

ステレオサウンド 59号(1981年6月発行)
特集・「’81最新2403機種から選ぶ価格帯別ベストバイ・コンポーネント518選」より

 アメリカのマッキントッシュ社のプリアンプ中の最高機種である。多機能なコントロールマスターであり、5分割のイクォライザー、エキスパンダー、ヘッドフォン用パワーアンプなどをもつ。デザイン、仕上げの美しさ、高級感は最高峰で、オーディオファンの夢を実現したといえるだろう。そしてまた、音の素晴らしさ、操作類のプロ機器なみの配慮による円滑さなど、目に見えないところにこそ周到な作りがなされている。