Category Archives: コントロールアンプ - Page 31

ビクター PST-1000, MST-1000

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 MST1000に関しては、パネルフェイスの好みを別とすれば、世界第一級のパワーアンプだといっても誇張ではないだろう。尤も価格の方も国産最高で、JBLエナジャイザーあたりの輸入価格と同じでは、うっかり甘い点数も着けられないが、ともかく音質にもパワーキャラクターにもまず問題はない。しかしこのアンプにして、タンノイやアルテックが、マッキントッシュ275のような魅惑的な音では鳴らないというのは、やはりトランジスターのどうにもならない弱点なのだろうか。
 PST1000は、本格的なプログラムイコライザーがこの価格で買えると思うとお買徳品だが、じぇいびーえるのプリあたりとくらべると、弱小レベルで音の美しさをもう一段改善できたら素晴らしいプリアンプになると思った。

ラックス PL45, MQ36

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 はじめPL45とMQ36お組合せで聴いてみたが、何かもうひとつ音に冴えが無く、全体に靄がかかったように輪郭が甘く抜けが悪い。この原因を掴むため、試みにPL45とMQ36を切り離して、それぞれを素性の判っているプリアンプ、メインアンプに互いに組合せを変えてテストしてみたところ、どうやら問題はPL45の方にあることが判明した。
 MQ36は、テクニクス20AやビクターMST1000と並んで,まさに優劣つけ難い、優れたパーフォーマンスを持った品位の高いパワーアンプであることが感じられた。特にデザインを含めて評価すると、これは立派に世界水準をゆく製品といえる。
 その点、PL45には、まだ解決すべき問題が残されていると思われた。

テクニクス Technics 10A, Technics 20A, Technics 40A

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 10Aと20Aの組合せでは、バランスの良く品位の高い第一級の再生音が得られた。20Aはいかにも重量級の大型アンプだが、充実感のある音質で、スピーカーシステムをほとんど選ばず一様に見事によく鳴らした。特に20Aは、パワーアンプとして球と石とを問わず非常に完成されたパワーアンプである。
 その点40Aは、ダンピングファクターをマイナスからプラスまで大きく連続的に変化できるというメリットはユニークだけれど、20Aの高品位の音質を聴いたあとでは少々聴き劣りした。しかしスピーカーの音色を音は場にコントロールできるのは強みである。

エロイカ Phoenix70

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 プリアンプとメインアンプが、一体になって互いに過不足なく全力を発揮し合っているという印象で、音のバランスも非常に良いし、温かさと充実感があって、音のキメも細かく繊細で解像力がよいし、音がたっぷりしていてハイレベルでも不安感が無い。たとえばマランツとかマッキントッシュといった著名アンプを聴くときの安心感と一脈通じる豊かな快さにひたることができる。プリ・メイン合わせて12万弱というとQUADやダイナコよりも安く、この音質と機能は十分に満足できるだろう。
 スピーカーの選り好みも少なく、タンノイ、アルテック、グッドマンなどアンプでよい音のしにくいスピーカーにも向く特性は何といっても管球式の良い面をよく生かした設計の強みだといえる。

マックトン XC-5, MXA-50

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 プリ・メイン合わせて9万円近いとなると、比較の対象として、ソニーのTA1120Aや、もう少し安いものでビクターの200シリーズとかラックスSQ301などが浮かんでくるが、XC5+XMA50の音は、それらの良くできたアンプと同列に比較することに困惑を感じるほど、硬く異質なものであった。
 3万円、4万円台のアンプならいざ知らず、合計9万円近くのアンプを市場に送りユーザーからその代償を受けとるためには、どの程度の特性を具えどういう水準のデザインと仕上げをするべきか、このメーカーには、最近のレベルの高い各社のアンプについて、虚心に再考されることを望むだけである。

ビクター MCP-200, MCM-200

瀬川冬樹

ステレオサウンド 3号(1967年6月発行)
「内外アンプ65機種の総試聴記と組合せ」より

 実は昨年の暮の、音楽之友社刊「ステレオのすべて」の中でも、このアンプを推賞したひとりとして、今回のアンプの結果には多少の心配を抱いていたが、こうして切換比較してみて、この音質が立派に第一級のものだと確認できたのはうれしかった。
 ただプリとメインをくらべると、価格の上から無条件に奨められるプリアンプの方で、MCM200の方はほんのわずかだが音がのびきらない感じがあるのは、出力があまり大きくないせいだろうか。
 MCP200の方は、たとえばマランツの7Tあたりと十分太刀打ち出来ると書くと読者は、眉にツバをつけるかもしれないが、片や16万円、片や3万円台という価格を考えると、機能の点、使いやすさ、SNの上では劣るとしても、音質そのものはここまでくればほんの紙一重のちがいだと思う。

ラックス PZ24, KMQ8, FL15

ラックスのコントロールアンプPZ24、パワーアンプKMQ8、エレクトロニッククロスオーバーネットワークFL15の広告
(スイングジャーナル 1967年5号掲載)

Lux

ガラードAT-80, グッドマン Maxim, CMラボラトリーズ CC-1, Model 350

ガラードのアナログプレーヤーAT-80、グッドマンのスピーカーシステムMaxim、CMラボラトリーズコントロールアンプCC-1、パワーアンプModel 350の広告(輸入元:シュリロ貿易)
(スイングジャーナル 1967年3月号掲載)

シュリロ

エロイカ EW-50

エロイカのコントロールアンプとパワーアンプのセットEW50の広告
(モダン・ジャズ読本 ’65 1965年4月増刊号掲載)

Eroica

サンスイ SM-11, SM-12, SM-21, SM-30, SP-220, Q-3535, PM-8, PM90

サンスイのレシーバーSM11、SM12、SM21、SM30、PM8、PM90、コントロールアンプSP220、パワーアンプQ3535の広告
(スイングジャーナル 1961年4月号掲載)

サンスイ