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スタントン W.O.S.100, 681EEE MKIII, Trackmaster-EL

井上卓也

ステレオサウンド別冊「世界のオーディオブランド172」(1996年11月発行)より

 ステレオ初期に、一点支持型トーンアームの先端にカートリッジを固定した、非常に未来志向型のステレオユニポイズを発表したピカリング社は、モノーラルLP時代からカートリッジの名門として高い評価が与えられた専門メーカーだ。そしてステレオLP時代となった’61年に、当時のピカリング社の社長であったW・O・スタントン氏が、同社のトップランクモデルに特別にスタントンのブランドを与えたことが、そもそものスタントン・ブランドの誕生である。同社カートリッジの発電方式は、MM型を中心にIM型も加えた、まさに適材適所の自由な設計が特徴だ。
 スタントンの評価を最初に高めたモデルが、’69年発売のIM型681EEで、その暖かみがありシャープな音は記憶に新しい。後に500、600シリーズが加わる。また、ディスクにブラシを接触させ、振動系の安定度を向上させるダスタマティックも注目された。
 ’80年になると、MM型のコイルを極限まで減らしたローインピーダンス(3Ω)の製品980LZSを発表した。このタイプは、すでに業務用としてはグレース、オーディオテクニカで製品化されていたが、基本的にはヘッドアンプ専用でトランスにはマッチしない。これ以後は針先形状が問題とされた時代で、同社ではステレオヒドロンが、その回答だ。
 WOS100は、チタンコートのボディに設計者W・O・スタントンのシグネチュアを刻んだ同社技術の集大成モデル。ブラシ付3・3mV出力のエネルギッシュで力強く、繊細さも見事なモデルだ。
 681EEE MKIIIは、681系の最新版。チタンコートボディ、サファイアコート・カンチレバーに菱形形状チップを採用している。
 トラックマスターELは、逆回転の頭出しにも耐える振動系とスタイラスに蛍光塗料コート・ヘッドシェル一体型だ。