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サンスイ TU-707

井上卓也

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 シリーズ製品として甲乙がつけがたい個性的なプリメインアンプ、AU−607/707のペアとなるチューナーである。とかく、類型的になりやすいチューナーのなかでは、幅広くとったダイアル面の白に近い淡黄色とブラックフェイスのパネルとのコントラストがクッキリとつき、このユニークさが、かなり楽しい。

サンスイ TU-707

菅野沖彦

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 サンスイの新シリーズ、707プリメインアンプは私の大好きなアンプの一つだが、これとペアで使うとなると、同じデザインイメージのチューナーが必要となる。その意味で、TU707をあけだのだが、その解説を書くには、正直なところ、このチューナーを使っていない。メーカーを信頼するのみ。

サンスイ TU-707

瀬川冬樹

ステレオサウンド 43号(1977年6月発行)
特集・「評論家の選ぶ ’77ベストバイ・コンポーネント」より

 TU707は、中価格帯の製品としてはかなり本格的に仕上がっている優秀なチューナーといえる。意匠的には、AUとTUとでもう少し見た目の一体感を表現できればよかったのに、と思うが、感度、S/N比、安定度などの物理データはもちろん、操作のフィーリングの面からも、よく練り上がった製品。

サンスイ TU-707

井上卓也

ステレオサウンド 42号(1977年3月発行)
「SOUND QUARTERLY 話題の国内・海外新製品を聴く」より

 サンスイの新製品、AU707、AU607は、現時点動向にマッチした、DCアンプ化したパワーアンプや左右チャンネル独立電源方式の採用などの技術的内容をはじめ、音質、一新されたデザインにより注目を集め、好評のうちに市場に迎えられているが、今回、ペアチューナーとして、TU707が発売された。
 プリメインアンプと共通なマットブラックのプレーンなパネルには、白いワイドなダイアルが設けられ、とかく、画一的になりやすい、この種のチューナーのなかでは個性的なデザインとしてまとめられている。
 機能面では、IF増幅段の帯域2段切替、FMエアチェック用のキャリブレーション発振器の内蔵をはじめ、ミューティング、ノイズキャンセラーがあり、また、新しく採用された同調メカニズムにより、選局のフィーリングは、滑らかで気持ちよい。
 回路面での特長は、フロントエンドにはエアギャップの広い4連バリコンの採用により周波数安定度を向上し、IF部には、リミッター特性の優れたICにより合計10段の差動回路を構成し、不安定な到来電波に対して安定な受信を可能としている。また、検波段には広帯域レシオ検波回路を採用して歪を低減し、MPX部には、PLL方式、オーディオアンプには、2段直結NFアンプとエミッターフォロワー1段を組み合わせ、低歪化がはかられている。なおオプションとして、パネル両側には取手、BX7が取付可能である。