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アクースタット TNT-200

井上卓也

ステレオサウンド 84号(1987年9月発行)
特集・「50万円未満の価格帯のパワーアンプ26機種のパーソナルテスト」より

安定度の高い、ややナローレンジ型の帯域バランスと、中低域の量感がタップリとした、穏やかで雰囲気型の音のまとまりが特徴である。1曲目のヴォーカルは、線が細く、スタティックなヴォーカルになるが、2曲目になるとウォームアップでの変化が現れ、反響の多いタップリとしたエコーを伴った教会の音になる。太鼓連打でも乱れは少なく、音色面での重さがないのがメリットだが、反応が少し遅いようだ。

音質:78
魅力度:80

ミュージック・リファレンス RM-5 + アクースタット TNT-200

菅野沖彦

ステレオサウンド 65号(1982年12月発行)
特集・「高級コントロールアンプVSパワーアンプ72通りの相性テスト」より

 マーラーでは響きが明るくなりすぎるし、高域がややうるさく、しなやかさが不足する。ヴァイオリン群は、もっとキメの細かい音が再現されるべきだと思う。ピアノの中低音が、この試聴スピーカー、試聴室では不明瞭になりがちだった。だが、この組合せでは、よく締り、よく抑えられて、非常にすっきり再生されてよかった。f特に無関係に、この辺りの変化が、アンプの違いによる面白いところである。ジャズのベースはやや重い。